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超小型低消費電力ビデオエンコーダ「ML86V76580」

2011年7月26日

OKIセミコンダクタ、ポータブルオーディオ向け 超小型低消費電力ビデオエンコーダを量産開始。

世界最小サイズ(当社調べ)、消費電力50%削減(当社従来比)を実現

ロームグループのOKIセミコンダクタは、このたび、ワールドワイドビデオ信号2方式(NTSC ,PAL)(※1)に対応した世界最小、低消費電力を実現したビデオエンコーダ「ML86V76580」を開発しました。本商品は、既にサンプル出荷を開始しており、2011年7月より月産10万個の体制で量産を開始しました。生産拠点は、前工程はOKIセミコンダクタ宮城(宮城県)、後工程はOKIタイランド(タイ)、OKIセミコンダクタ(八王子市)で行う予定です。

NTSC、PAL方式のコンポジットビデオ信号(※2)は現在、世界で最も普及しているアナログ映像信号方式であり、映像機器間の接続用インタフェースとして欠かせない信号の1つです。 近年、ポータブル映像機器、ポータブルゲーム機器、映像表示機能付きポータブルオーディオ機器に映像出力機能の搭載が増加しており、そのインタフェースとしてコンポジットビデオ信号が使用されています。ポータブル機器の映像出力用途に、より低消費電力化、省スペース化が可能なコンポジットビデオ信号出力対応ビデオエンコーダが求められています。

今回発売する「ML86V76580」は、民生、車載市場で長年培った高画質、高信頼性ビデオエンコード技術をベースに、コンポジットビデオ出力対応に特化し、映像機器との接続時のみ動作可能とする接続検出機能を搭載することで、ポータブル機器の消費電力の低減が可能です。また、世界最小サイズ(当社調べ)の超小型パッケージWCSP(※3)を採用していますので、実装スペースの削減にも貢献します。従来品の小型ビデオエンコーダ「MSM7652」と比較して、消費電力は半分の178mW、パッケージサイズは、面積1/10以下の2.76mm x 2.50mmを実現しています。

温度拡張(-40~+85℃)に対応したTQFPパッケージ品も用意し、民生用途だけでなく車載、セキュリティ用途にもお使い頂けます。

OKIセミコンダクタは、今後も付加価値の高いビデオエンコーダシリーズのラインアップを拡充し、お客様のシステムに最適かつ魅力的な商品を開発、販売していきます。

特長

世界標準のビデオ信号2方式に対応
NTSC/PALコンポジットビデオ信号出力に対応しているため、ワールドワイド向け映像機器に 使用可能です。
シンプルな入出力インタフェース
デジタルビデオ信号ITU-R BT.656、または8ビットYCbCr多重+同期信号(インタレース) 入力、アナログビデオ信号コンポジットビデオ信号1ch出力に対応。
4種類のピクセル周波数に対応
国際標準であるITU-R BT.601規格(13.5MHz)に加え、NTSCスクエア・ピクセル(12.272727MHz) (※4)、PALスクエア・ピクセル(14.75MHz)、NTSC 4fsc(14.31818MHz)(※5)の4種類の ピクセル周波数(※6)に対応しています。
映像機器接続検出機能搭載
内蔵DAC出力電圧をモニターすることで映像機器との接続を検出、その結果をステータス レジスタに保存し、外部マイコンから接続状況を確認できます。
専用ローパスフィルタIC不要で映像機器にダイレクト接続可能
倍速高速サンプリングにより、折り返しノイズを低減、外付け専用ローパスフィルタICを 不要にし、部品点数を削減します。
用途に合わせて2種類のパッケージをご用意
ポータブル機器向けには超小型パッケージ25ピンW-CSP(2.76mm × 2.5mm)、車載、セキュリティ 機器向けには信頼性に実績のある48ピンTQFP(7mm × 7mm)をご用意します。

販売計画

  • ・商品名:ML86V76580
  • ・サンプル出荷時期:出荷中
  • ・サンプル価格:500円(税別)
  • ・評価ボード出荷時期:出荷中
  • ・量産出荷時期: 2011年7月

商品の概要/特長

  • ●対応映像方式 NTSC、NTSC(7.5IREセットアップ)、PAL-BDGHI
  • ●対応映像走査方式 インタレース(NTSC、PAL)信号に対応
  • ●入力データフォーマット
    1. ITU-R BT.656-4タイプ (YCbCr 4:2:2 8bit多重化 同期信号情報付加)
    2. YCbCr 4:2:2+同期信号 (8bit多重化 同期信号別)
  • ●入力ピクセル周波数(サンプリング周波数)
    1. NTSC Square Pixel 24.545454MHz (12.272727MHz)
    2. NTSC/PAL ITU-R BT.601 27MHz (13.5MHz)
    3. NTSC 4fsc 28.63636MHz (14.31818MHz)
    4. PAL Square Pixel 29.5MHz (14.75MHz )
  • ●アナログ映像信号出力 コンポジットビデオ信号
  • ●I2C-busタイプのシリアルインタフェース スレーブアドレス88h(1000_100×)
  • ●10bit DAC内蔵
  • ●電源電圧:DVDDIO 3.3V or 1.8V、DVDDCO 1.8V、AVDD 3.3V
  • ●パッケージ 25ピンWCSP-BGA (2.76mm × 2.50mm) 48ピンTQFP(7mm × 7mm)

用語解説/注釈

注1:NTSC方式 主に北米、日本、韓国で使用されるアナログTV信号。
PAL方式  主に欧州、中国で使用されるアナログTV信号。
注2:コンポジットビデオ信号
輝度信号、色信号、同期信号が重畳された一般的なビデオ信号。 ほとんどの画像機器に用意され、黄色のRCAコネクタで接続を行う。
注3:W-CSP(Wafer level Chip Size Package)
ウェハ状態で一括してパッケージングを行う技術。チップと全く同じ外形寸法にまで LSIパッケージを小型化できる。
注4:スクエア・ピクセル
ビデオ信号をスクエア・ピクセル周波数でサンプリングすることで正方画像データが 得られるため、液晶パネルやPC画面に表示する際に縦横比率変換を行うことなく 使用可能な画像処理に有利なピクセル周波数。
注5:NTSC 4fsc
カラーサブキャリア周波数(fsc)の4倍でサンプリングすることで色成分を正確に 再現できます。
注5:ピクセル周波数
ビデオ信号をデジタル変換した際の1画素(ピクセル)のサンプリング周波数のこと。 NTSC信号を13.5MHzのピクセル周波数でサンプリングした場合、水平方向1ラインで 858ピクセル(有効画素720ピクセル)のデータが得られる。
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