東日本大震災を乗り越え、地震対策を強化

2011 年3 月11 日の東日本大震災では水・電気の供給が停止、一部設備に破損がみられました。
この経験をもとに水・電気の自前インフラを整備、免震化による耐震強化などの対策を継続して行っています。

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ラピスセミコンダクタ宮城工場の地震対策

未曾有の大災害となった東日本大地震。ラピスセミコンダクタ宮城工場も大きな被害を受けました。工場の復興とともに、様々な対策を行い災害に強い工場づくりをすすめています。

項目 東日本大震災前 東日本大震災後
想定規模
震度5 強 (1978 年宮城県沖地震クラス)
震度6 強 (2011 年東日本大震災クラス)
前提
水/ 電気
供給継続
24H 以内に投入から出来まで生産可能な1 ライン(10%)確保 7 日以内に100%復旧
供給停止
想定外
クリーンルームのクリーン度確保 社会インフラ復旧後 7 日以内に30% 14 日以内に100%復旧
地震予知
リアルタイム地震防災システム導入
・ガス/ 薬品の自動遮断 ・露光機/AGV※/ テスタ等の自動停止 ※AGV: Automated Guided Vehicle
耐震強化
クリーンルームの階下に耐震壁設置 設備の耐震固定、耐震強化
耐震壁の追加と補強 縦型炉の免震
クリーンルーム維持
水/ 電気供給継続によりクリーン度維持
井戸設置、発電機増設により クリーン度確保
部材確保
長納期部品、重要部品の備蓄
必要内容・個数の定期見直しを実施
安全確保
クリーンルーム内監視カメラ設置 クリーンルーム入退出管理システム導入
安否確認メールシステム導入大地震発生時の手引き更新
震度6強の地震が発生しても商品を確実にお届けします

免震化による設備の耐震強化

実際の被害状況震度6強でも免震装置により設備と商品を守ります

底面積が小さく高さがある縦型炉は、重いヒーターが上部にあるため重心位置が高く、揺れに弱い設備です。
さまざまな耐震対策を行ってきたものの東日本大震災では石英ガラス部品やウェハが破損しました。 この経験をもとに免震化を行い、破損を防止します。

自前インフラの整備

井戸設置、発電機増設により災害時もクリーン度を確保します

地震発生後、水・電気が断絶した場合は、まず非常用発電機が起動し、安全を確認します。次にクリーンルーム用発電機を起動させるとともに井戸水を供給し、クリーンルーム環境を維持します。

クリーンルームの環境を維持するには水と電気が必須です。水・電気が断絶してもクリーンルーム環境が維持できるように井戸を2ケ所堀り、発電機を3台増設しました。

命と商品を守るリアルタイム地震防災システム

ラピスセミコンダクタ宮城工場は、大きな被害を発生させないためにリアルタイム地震防災システムを2005 年から導入し、 システム性能を向上させてきました。地震が発生した際は構内の震度を予測し、20gal 以上の場合は従業員が安全を確保 できるようにチャイムや音声で地震が来ることを知らせます。また、120gal 以上が予測される場合は、インフラ・生産設 備を安全停止させます。

リアルタイム地震防災システム

確かな震度予測でインフラと生産設備を安全停止させます

※P波とS波 : P波はPrimary(1番目の)S波はSecondary(2番目の)から命名されています。地震が発生すると「伝わる速度が速く」「エネルギーが 小さい」P波が到着して、小さな縦揺れが発生します。その後「速度の遅い」S波が到着し、「大きなエネルギー」を持つ横揺れが発生します。