中国無線規格対応 Sub-GHz帯 無線通信LSI「ML7345C」
中国のスマート化に貢献する
サブギガ帯域無線通信LSI「ML7345C」を開発
~ 業界トップクラス※の無線性能と低消費電力で
高信頼の無線ネットワークを構築 ~
※2016年3月ラピスセミコンダクタ調べ
要 旨

ラピスセミコンダクタは、スマートメーターやホーム / ビル・セキュリティ、火災報知機・ガス警報器、クラウド農業など、長距離無線通信と低消費電力が必要とされるアプリケーションに最適な、サブギガ帯域 (周波数1GHz以下) 無線通信LSI「ML7345C」を開発、量産出荷を開始しました。
ML7345Cは、世界のスマートメーターに採用が進むラピスセミコンダクタの無線通信LSIを中国の無線規格で最高特性が出るよう周波数帯域と送信パワー、受信感度をカスタマイズした商品です。中国国内で利用可能な周波数帯域433 ~ 510MHzと送信パワー100mW高出力に対応しています。また、高周波増幅器を改良したことで、業界トップクラスの無線性能と環境安定性 (送信パワーの温度耐性 : 一般品比で3倍以上) を実現しているため、スマートメーターなど複雑な無線ネットワークの簡素化 (中継器削減) 、高信頼化に貢献します。さらに、短時間で受信起動を行う高速電波チェック機能とスリープ電流の大幅削減により、通信時間の大半を占める待ち受け動作において、当社従来品比で48%の平均電流を削減し、システムの低消費電力化と電池の長寿命化にも貢献します。
なお、本商品は2015年12月より量産出荷を開始しており、今後、在中国パートナーとの協業による本商品を搭載した無線モジュールの提供も予定しています。同時にお客様の設計負荷を軽減するため、推奨アプリケーション回路図や周辺部品リスト、推奨小型モジュール用PCBレイアウトデータなど、リファレンス設計データも提供してまいります。
今後もラピスセミコンダクタは、無線機器開発を簡単にすることで、社会のスマート化に貢献してまいります。
背 景
近年、地球温暖化抑制を目的に、エネルギーを効率的に利用することが社会的な緊急課題になっています。
中国においては、IoT・M2Mの観点から無線通信を使用するスマートメーターが導入されるようになってきました。また、オフィスやビル全体の照明・空調の最適制御、防犯・防災セキュリティはもちろん、農業など一次産業での収穫量向上や生産の最適化などでも、無線ネットワークを用いてデータを収集し、制御する動きが活発になっています。
ラピスセミコンダクタのサブギガ帯域無線通信LSIは、高性能の無線通信を低消費電力で実現できるため、世界のスマートメーターで採用が進んでおり、世界の無線ネットワーク構築に貢献しています。
新製品の特長
1. 業界トップクラスの環境安定性
- 中国でのサブギガの主要な帯域である433MHzから510MHzにおいて、送信パワーと受信感度で比類なき環境安定性 (耐温度変化、耐電源電圧変化) を実現しています。これらの安定した無線性能により、マルチホップを扱うスマートメーターなど複雑な無線ネットワークを用いるアプリケーションにおいて、環境変化に対するマージンを考慮することなくネットワーク設計を行えるため、ネットワークの簡素化 (中継器削減)・低コスト化に貢献できます。
また、比較的簡単な無線ネットワークを用いる防犯・防災セキュリティなどのアプリケーションにおいても、環境変化に左右されることなく高信頼の通信環境を提供可能です。
- (1)中国市場向けの100mW高出力
- アンテナ端出力で100mWを出力できます。また、受信帯域設定をプログラム可能で、電気、ガス、水道や熱メータの他、防犯・防災セキュリティ等様々な仕様にも対応できる能力を有しています。

- (2)送信パワーの温度依存±1dB以下
- 高周波増幅器に改良を加えたことで、送信パワー変動が動作保証全温度範囲内で±1dB以下と、一般品比で3倍以上の高安定性を実現しています。無線ネットワークの簡素化、低コスト化、高信頼化に貢献します。
2. 高速電波チェック機能とスリープ電流削減で平均電流を削減

- ラピスセミコンダクタが長年培ってきた低消費電流設計技術により、通信の大半を占める待ち受け動作において、平均電流を当社従来品比で48%削減 (10秒間隔での待ち受け動作時) しました。
これは、独自の高速電波チェック機能により受信起動に掛かる時間を短縮し、受信強度検出までのトータル時間を最小化 (約1msec)、さらに内蔵タイマのみONするスリープ時の電流を僅か0.9µA (当社従来品比58%削減) したことで実現しました。これにより、ネットワーク内の無線ノードが消費する電力のほとんどを削減しているため、システムの低消費電力化と電池の長寿命化に貢献します。
3. 充実の開発サポート
- 本LSI搭載の評価キットもご用意しました。評価キットには、サンプルプログラム (簡易MAC) と各種テストシナリオ、小型モジュール用のリファレンス設計データ (回路図、周辺部品リスト、推奨PCBパターン) があります。また、ラピスセミコンダクタ ホームページのサポートページへ登録いただく事で様々なマニュアルやツールをダウンロードできるなど、充実したサポート体制も提供しています。下記URLよりご覧ください。
https://www.lapis-semi.com/cgi-bin/MyLAPIS/regi/login_J.cgi
4. 在中国メーカーとのパートナーシップ
- ML7345Cのリファレンス設計データを在中国のパートナーメーカーに提供します。これによりML7345C搭載の中国製通信モジュールを在中国メーカーから提供、技術サポートすることが可能になります。
アプリケーション
- 中国スマートメーター、センサーネットワーク、各種計測機器、その他の無線通信が必要な産業機器全般
販売計画
- 商品名 : ML7345C
- サンプル価格 (参考) : 700円(税別)
- 量産出荷 : 量産出荷中 (2015年12月開始)
- 量産出荷数 : 月産50万個
- 梱包形態 : テープ & リール 2,000個
- 評価ボード価格 (参考) : 価格については こちらから お問い合わせください。(2018年2月19日 価格情報訂正)
※価格は評価ボード1台、送受信の評価には評価ボード2台が必要
ML7345C 仕様
項目 | 値 |
---|---|
対応周波数 | 433 to 510MHz |
変調方式 | 4GFSK / 4GMSK、GFSK / GMSK、FSK / MSK |
転送速度 | 1200bps to 100kbps |
受信帯域幅 | 1.6kHz to 400kHz |
符号化方式 | NRZ、マンチェスタ、3 out of 6 |
送信パワー | 100mW |
受信感度 | -120dBm @ 2.4kbps |
その他 | ウェークアップ機能、アドレスフィルタ機能搭載 |
電源電圧 | 3.3V to 3.6V (100mW) |
送信時電流 | 90mA @ 100mW |
受信時電流 | 8.5mA |
スリープ電流(内蔵タイマON) | 0.9µA |
パッケージ | 32ピン WQFN |
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