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地上デジタル放送用2ダイバーシティ受信対応LSI「ML7137」

2011年9月13日

OKIセミコンダクタが地上デジタル放送用2ダイバーシティ受信対応LSI「ML7137」量産開始

2ダイバーシティ方式で高感度、高画質化、低消費化を実現

OKIセミコンダクタは、車載およびポータブルのデジタル放送受信機器に最適な2ダイバーシティ受信(注1)に対応した地上デジタル放送ISDB-T規格フルセグメント・ワンセグメント(注2)のOFDM(注3)復調・誤り訂正LSI「ML7137」を開発しました。
本LSIは、地上デジタル放送ISDB-T規格に準拠し、2ダイバーシティ受信によるOFDM復調、復号回路を1チップに集積し、フィールド受信性能向上のみならずセット開発時に問題となるスプリアス対策を容易にするために、インバンドノイズ除去機能を搭載いたしております。また、移動受信性能を業界最高水準の低消費電力・小型パッケージで実現いたしました。
なお、本商品は、既にサンプル出荷を開始しており、2011年12月より月産10万個の体制で量産出荷を開始する予定です。

ML7103構成図

昨今、家庭用TVだけでなく、移動中も地上デジタル放送を視聴するため、カーナビなど車載機器や、携帯電話をはじめとするモバイル機器でも対応機器が増えております。これら車載機器やモバイル機器では移動しながら受信を行うため、様々な伝搬環境による変動によって安定した受信を行うことが難しくなります。そのため、フルセグメント放送の移動受信においては、複数のアンテナで受信感度を上げ、信号の品質を上げるためダイバーシティ受信という方式が取られています。車載機器などでは、4ダイバーシティが採用されることがありますが、消費電力が高く、放熱設計の面からもセットの小型化が厳しく、PND(ポータブルナビゲーションシステム)やポータブルTVなどのモバイル機器においては、消費電力、小型化の面で課題がありました。

こうした状況に着目し、OKIセミコンダクタでは、2ダイバーシティ受信で低消費電力・小型化を図った地上デジタル放送用OFDM復調・誤り訂正LSI復調・誤り訂正LSI「ML7137」を開発いたしました。消費電力は業界最高水準の130mW、パッケージは8mm x 8mmのTFBGAパッケージを採用し、消費電力化・小型化を実現しました。また、セット開発時問題となるスプリアス対策を容易にするため、インバンドスプリアス除去機能を搭載し、開発環境の改善を図っています。 OKIセミコンダクタは、更なる高感度を目指し、4ダイバーシティ復調・復号LSIの開発を行い、車の環境における高品質なTV視聴を低消費電力でご提供して参ります。また、海外の地上デジタル放送受信への対応を図って参ります。

特長

高感度
2本のアンテナによる受信信号を効果的に合成するダイバーシティ方式を採用し、移動 受信に適した信号処理方式を搭載しております。これにより、受信エリアの拡大及び 移動受信性能の向上を提供いたします。

低消費電力
2ダイバーシティ受信状態において、業界最高水準の低消費電力130mWを実現いたしま した。電波状態の変化等に影響されることなく、この低消費電力状態を安定して提供 いたします。セットのエコ化に貢献し、セット小型化を実現する上で重要な放熱対策も 容易にいたします。

インバンドスプリアス除去機能搭載
同じ基板や周囲の部品から発せられるスプリアス、伝搬環境におけるノイズキャンセル 機能を搭載し、セット開発時に問題となるスプリアス対策が容易になります。

小型パッケージ
8mm x 8mm TFBGAパッケージを採用し、実装面積の削減に寄与いたします。

応用分野

アプリケーション
  • ・カー・ナビゲーション
  • ・ポータブルナビゲーション(PND)
  • ・車載チューナボックス
  • ・カーテレビ
  • ・ポータブルテレビ

販売計画

  • ・商品名:ML7137
  • ・サンプル出荷時期 :出荷中
  • ・サンプル価格 :2000円(税別)
  • ・評価ボード提供時期 :出荷中

商品の概要/特長

  • ●ARIB(注4) STD-B31規格フルセグメント、ワンセグメント受信に対応
  • ●2ダイバーシティ・フルセグメント、ワンセグメント受信対応
  • ●OFDM復調、復号機能
    1. 64QAM, 16QAM, QPSK復調
    2. FECデ・インターリーブ、誤り訂正
  • ●外部インタフェース
    1. Low-IF信号受信(A/Dコンバータ搭載)
    2. AGC制御出力(D/Aコンバータによるアナログ出力)
    3. 対ホストコントローラ I2Cバススレーブ制御
    4. チューナへのI2Cバススルー機能
    5. TSシリアル出力
    6. GPIO兼PWM出力(個別に選択可能)
    7. メインクロックは、外部からの32MHz発振入力または、32MHz水晶振動子入力に対応 割込信号出力
  • ●インバンドノイズ除去機能
  • ●消費電力
    1. アナログ 2.7V ~ 3.47V (Typ. 2.85V)
    2. デジタルI/O 1.5V ~ 3.47V (Typ. 2.5V)
    3. コア電圧 1.1V ~ 1.3V (Typ. 1.2V)
  • ●動作温度範囲 -40℃ ~ +85℃
  • ●パッケージ
    1. TFBGA 84pin (8mm x 8mm 0.65mmピッチ)
    2. 鉛フリー RoHS準拠

用語解説/注釈

注1:ダイバーシティ受信
1つの放送波を複数アンテナで受信する仕組みです。ダイバーシティ受信方式には、切替方式や合成方式など様々な方式があり、本商品では受信品質の改善度合を最大にする合成方式を採用しています。
注2:ISDB-T規格フルセグメント・ワンセグメント
ISDB-T規格は、日本および中南米などで採用されている地上デジタル放送方式です。 本規格ではチャネルを13個のセグメントに分割し、複数のセグメントを束ねて様々なサービスを提供しています。13個の束になったセグメントをフルセグメント、そのセグメントのうちモバイル端末向けに利用されることの多い1個のセグメントをワンセグメント、日本国内でワンセグと呼ばれている放送に割り当てられています。
注3:OFDM (orthogonal frequency-division multiplexing
直交周波数分割多重方式というデジタル変調方式の一つです。周波数の直交性を利用して重ね合わせるため、周波数利用効率が非常に高く、伝送路の雑音の影響に強いため、広く使われております。
注4:ARIB
一般社団法人電波産業会の略称。日本の通信、放送分野での電波利用システムの実用化と普及のため標準規格策定などを行っています。
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