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指紋認証モジュール「MK67Q5250」

2009年7月28日

切手サイズの小型指紋認証モジュール「MK67Q5250」を量産開始

AuthenTec社製の新センサに対応した指紋認証LSI用ソフトウェア開発キットも同時リリース、指紋認証のトータルソリューションを拡充

パッケージ写真OKIセミコンダクタは、このたび指紋センサや指紋認証処理用LSIなど指紋認証に必要な全ての部品をほぼ切手と同じ大きさの基板に搭載した小型指紋認証モジュール注1「MK67Q5250」の量産を開始しました。量産中の当社指紋認証LSI「ML67Q5250」および世界トップクラスの指紋センサベンダであるAuthentec社の指紋センサを採用しております。本モジュール単体で、指紋データの登録・認証・登録データ管理といった機能を実現し、あらゆるシステムへの指紋認証システム搭載が容易になりました。

また、指紋認証用LSI「ML67Q5250」のソフトウェア開発キット(以下、SDK)注2を改良し、低消費電力なAuthentec社製の新スライドセンサ注3に対応したソリューションをSDKバージョン4として提供を開始しました。新センサに対応したことにより、スタンバイ電力の大幅な低減を実現し、スイッチを設けることなくバッテリ駆動機器への搭載が可能となりました。また、内蔵Flashメモリへの最大指紋登録指数も従来の15本から45本にアップし、ファームウェアアップデート機能を追加するなど、アプリケーション実現の上で、使い勝手を向上させました。

開発の経緯

OKIセミコンダクタでは、指紋認証に必要な処理(登録、認証、登録データ管理)をワンチップで実現するLSI「ML67Q5250」を開発し、多くのお客様に評価・採用いただいております。しかしながら、指紋認証機能を実現するには、指紋センサの調達や新たな基板開発などが必要であり、より容易に指紋認証機能を既存システムへ追加できる商品への要望が高まっていました。

そこで、OKIセミコンダクタは、Authentec社製センサと組み合わせた切手サイズの超小型モジュール「MK67Q5250」を開発し、量産を開始しました。

また、本モジュール上での、お客様のアプリケーションの開発環境として、モジュール開発用SDKの販売を開始しました。本モジュール開発用SDKでは、指紋認証の基本ソフトウェアをコマンドレベルで制御可能となっているため、指紋認証機能のカスタマイズおよびホストシステムとの通信による制御が容易となっています。

さらに、ネットワークトークンなどのバッテリ駆動の商品への認証機能搭載のため、スタンバイ電流の低減の要望が高まってきております。このため、指紋認証用LSI「ML67Q5250」のSDKをバージョンアップし、マイクロアンペアレベルのスタンバイ電流を実現したAuthentec社製の新センサ「AES1711」に対応することで、物理的なスイッチ不要でバッテリ駆動商品へ指紋認証機能の追加が可能となりました。 また複数人で使用する認証システムにおいて、指紋登録指数の増加の要望が高まってきており、本SDKバージョン4にて、内蔵Flashメモリへの指紋登録指数を増加させ、外付け部品なしで指紋登録指数を45本まで増大させました。これにより、小規模なオフィイスレベルであれば、本LSIと指紋センサだけで認証システムの構築が可能となります。

今後もOKIセミコンダクタは、指紋認証ソリューションのラインアップを拡充し、お客様のニーズに適した魅力的な商品を開発していきます。

指紋認証モジュール「MK67Q5250」の特長

  • 特長
    • 切手大の小型サイズの基板に指紋認証に必要な機能を全て実装
      外形サイズ
      ビス止め式:25.4mm x 36.86mm x 4.0mm
      はめ込み式:25.4mm x 22.86mm x 4.0mm
    • Authentec社製センサ「AES2510」搭載
    • 高性能な指紋認証処理
      DFT方式注4(Precise Biometrics社製)の指紋認証アルゴリズム採用
      高速認証時間:0.8秒以内(1:1認証)
      高い認証精度:FAR注5(他人誤受入率) < 0.001%、FRR注6(本人拒否率) < 1.0%
    • 内蔵Flashメモリへの登録可能指数:15本(標準設定時) 45本へ拡張予定(2009年9月)
    • 指紋データの不正読み出しを禁止するセキュリティ機能搭載
    • 豊富な外部とのインターフェース
      USB、SPI、UART、Smartcard I/F、GPIO
    • 電源電圧は、5V単一版と3.3V単一版の2種類
    • 2009年10月より出荷予定
    • サンプル価格(参考):9,000円

モジュール開発用SDKの特長

パッケージ写真
  • 特長
    • SPI通信およびUSB通信によるコマンドレベルで制御可能な指紋認証基本ソフトウェア
      Authentec社製センサ「AES2510」からの指紋画像の取り込み
      指紋テンプレートデータの生成と内蔵Flashメモリへの登録、削除
      登録データとの指紋照合
    • モジュール消費電力低減のためのパワーマネジメント制御ソフトウェアの提供
    • JTAGデバッグ環境の提供
    • USBによる内蔵Flash書き換えソフトウェアの提供
    • 指紋認証デモンストレーション機能
    • 2009年7月より出荷開始
    • 参考価格:60,000円
  • モジュール開発用SDKの構成
    • MK67Q5250 Interface Board
    • MK67Q5250 指紋認証モジュールサンプル
    • CD-ROM(ソフトウェア一式)
      • センサドライバ
      • 指紋認証エンジン
      • 指紋認証デモ用サンプルプログラムおよびWindowsアプリケーション
      • 各種ドキュメント

SDK バージョン4の追加機能

パッケージ写真
  • 追加機能
    • Authentec社製新センサ「AES1711」対応
      スタンバイ電流の大幅な低減
      センサ表面へのハードコーティングにより筐体表面への指紋センサ配置が可能
    • 内蔵Flashへの指紋データ登録本数を45本へ増加(SDK バージョン3では15本)
    • 2009年8月より出荷予定
    • 参考価格:60,000円
  • 構成
    • ML67Q5250 CPUボード(表示用7seg、デバッグ用SRAM、スイッチ等)
    • AES1711センサボード(Authentec社製スライドセンサ搭載)
    • CD-ROM(ソフトウェア一式)
      • センサドライバ
      • 指紋認証エンジン
      • 指紋認証デモ用サンプルプログラムおよびWindowsアプリケーション
      • 各種ドキュメント

モジュール開発用SDKおよびSDK バージョン4の対する注意事項

※ コンパイラRealView Development Suit (RVDS)、または、Arm Developer Suite (ADS) は、別途ご用意ください。
※ ソフトウェアデバッグ用の Arm7TDMI CPU互換JTAG-ICEインターフェースは、別途ご用意ください。
※ 指紋センサおよびそのソフトウェアドライバはセンサメーカー提供されます。

用語説明

注1:指紋認証モジュール
LSIに加え、米AuthenTec社製スライドセンサ、水晶発振子、レギュレータ、コネクタなどを小型PCB基板に実装したもの。この基板上で指紋データの登録・認証が可能で、コネクタを経由して認証結果を読み出すことが可能。
注2:ソフトウェア開発キット(SDK:Software Development Kit)
お客様がプログラムを開発するための開発ボード、サンプルプログラム、ドライバ、および各種ドキュメントなどの総称。
注3:スライドセンサ
指をスライドして指紋画像を取り込むタイプの指紋センサ。ノートPCや携帯電話などに広く採用されている。
注4:DFT方式
DFT(Discrete Fourier Transform)離散フーリエ変換 指紋認証アルゴリズムの一つで、周波数解析方式とも呼ばれる。指紋の凹凸を波形データに変換して照合する方式。現在主流のマニューシャ方式、パターンマッチング方式に対して指紋の形や乾燥・手荒れなどによる登録拒否率が極めて小さい。
注5:FAR
FAR(Failure of Acceptance Rate)他人誤受入率 他人を本人と認識するエラー率
注6:FRR
FRR(Failure of Rejection Rate)本人拒否率 本人を他人と認識するエラー率。

※Authentec社製の指紋センサの詳細につきましては、Authentec社のweb siteをご確認ください
※Precise Biometrics社につきましては、Precise Biometrics社のweb siteをご確認ください
※記載されている会社名、商品名は一般に各社の商標または登録商標です。

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