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ML610Q400シリーズ

2008年11月19日

OKIセミコンダクタ、超ローパワー8ビットフラッシュマイコンにラインアップを追加

~小セグメントLCD表示向けに最適化~

ML610Q411_chip_photo OKIセミコンダクタは、このたび、業界トップレベルのローパワー動作を実現した8ビットフラッシュマイコン「ML610Q400シリーズ」に「ML610Q411/Q412/Q415」の3商品をあらたに追加しました。
「ML610Q400シリーズ」は独自のローパワー技術を用いてわずか1.1Vで動作するフラッシュメモリー、きめ細かなパワーマネジメント機能および高効率なRISC型CPU*1により、低消費電力化を実現しています。また、LCDドライバー、2種類のA/Dコンバーター、オンチップデバッグ機能などを搭載し、腕時計、体温計、歩数計などLCD表示の付いた携帯機器に最適なマイコンです。

今回追加した「ML610Q411/Q412/Q415」は、176ドット以下の小セグメントタイプのLCD表示機能を備えた小型携帯機器に最適な商品です。また、食品等の温度管理に用いられるデータロガーなどの産業機器向けに動作温度拡張(-40℃~+85℃)対応も可能です。

「ML610Q411/Q412/Q415」のサンプル出荷は本年11月から、量産出荷は2009年2月からを予定しています。OKIセミコンダクタは今後も超ローパワー8ビットフラッシュマイコンのラインアップを拡充し、ローパワーを必要とするアプリケーションに最適かつ魅力的な商品を開発、販売していきます。

開発の背景

OKIセミコンダクタは、腕時計、体温計、歩数計などLCD表示付き小型携帯機器市場向けに、超ローパワー、ハイパフォーマンス、多機能化、開発期間の短縮を実現できる、多ドットLCD表示に対応した8ビットフラッシュマイコン「ML610Q431/Q432」を量産しています。当マイコンをプラットフォームとしてご採用いただいているお客様よりご要望の多い小セグメントLCD表示に最適化したローエンド向け商品を開発しました。

本商品の特長

  • 内蔵フラッシュメモリー
    OKIセミコンダクタ独自のローパワー技術を活用し、低電圧1.1Vから3.6Vまでの広範囲での動作を実現しました。さらに、消費電流もMaskROM内蔵マイコンと同等レベルを実現しました。この特長により、フラッシュメモリーマイコンの利点である開発・生産期間の短縮と低消費電流によるバッテリーの小型化・軽量化を同時に実現可能です。
  • きめ細かなパワーマネジメント機能(ML610Q411/Q412)
    パワーマネジメント機能としてHALTモード、STOPモード、デュアルクロックを搭載しました。HALTモードは内蔵した周辺回路を動作させたままCPUの命令実行を中断し、STOPモードはCPUおよび周辺回路の動作を停止します。また、デュアルクロックは処理に応じて32.768kHzおよび500kHzを切り替えることによりCPU動作時もローパワーにできます。バッテリーの小型化による機器の小型・軽量化にも役立ちます。
  • 高効率RISC型CPU
    RISCアーキテクチャーを採用したOKIセミコンダクタオリジナルの「nX-U8/100」を搭載しています。3ステージのパイプライン処理*2によりほとんどの命令を1マシンサイクルで実行します。また、高速にメモリーアクセスできるビット操作命令や乗除算命令も備えておりますので、ローパワーながら高いパフォーマンスを発揮します。
  • LCDドライバー
    ML610Q412が176ドット(44 seg×4 com)、ML610Q411/Q415が144ドット(36 seg×4 com)で昇圧回路も内蔵しています。外付けドライバーが不要となるため実装面積が小さくなり、機器の小型化に役立ちます。
  • 2種類のA/Dコンバーター
    24ビットRC発振型と12ビット逐次比較型の2種類を搭載しました。抵抗や容量が変化する温湿度センサーや、出力電圧が変化する圧力センサーなどを接続して様々な測定ができます。外付けA/Dコンバーターが不要となるため実装面積が小さくなり、機器の小型化に役立ちます。
  • 内蔵RC発振クロック全動作(ML610Q415)
    ML610Q415は内蔵RC発振クロックのみで動作するため水晶振動子が不要となり、機器の小型化に役立ちます。
  • オンチップデバッグ
    オンチップエミュレータ(商品名「µEASE」)を接続することで、システム動作状態におけるソフトウェアのデバッグや、基板実装状態でのフラッシュメモリーの消去、書き込みが可能となっており、機器の開発期間短縮に役立ちます。

販売計画

  • 商品名:ML610Q411、ML610Q412、ML610Q415
  • サンプル出荷時期:2008年11月
  • ソフト開発ツール(オンチップエミュレータ「µEASE」)出荷時期:2008年11月
  • 量産出荷時期:2009年2月

主な仕様

動作電圧:
1.1 V - 3.6 V
消費電流(Typ.):
0.15µA(STOPモード)、0.5µA(HALTモード)、
1µA(32.768kHz水晶発振動作/CPU動作率10%)、
82µA(内蔵RC発振500kHz)、
400µA(内蔵RC発振500kHz /A/D動作)
動作周波数
ML610Q412/Q411:32.768 kHz(水晶発振)、500kHz(RC発振)
ML610Q415:62.5kHz(RC発振)、500kHz(RC発振)
メモリー:
ROM 8 KW(フラッシュメモリー)、RAM 1 KB
LCDドライバー
ML610Q412:176ドット (44 seg × 4 com)
ML610Q411/Q415:144ドット (36 seg × 4 com)
A/Dコンバーター:
24ビットRC発振型×2 ch、12ビット逐次比較型×2 ch
タイマー:
8ビットタイマー、ウォッチドッグタイマー、タイムベースカウンターなど
その他:
バッテリーレベル検出、PWM、ブザー、クロック出力など
パッケージ:
チップ、120ピンTQFP(TQFP120-P-1414-0.40-K)

関連リンク

用語解説

*1:RISC型CPU
命令セットを減らすことにより演算を高速化したプロセッサ(Reduced Instruction Set Computer)。ただし、OKIセミコンダクタ独自の「nX-U8/100」はビット操作命令や乗除算命令など豊富な命令(58命令)を備えています。
*2:パイプライン処理
命令実行の各ユニット(フェッチ、デコード、実行)を分割し、独立動作させることにより命令を並列処理すること。

※本文に記載されている会社名、商品名は一般に各社の商標または登録商標です。

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