16bitローパワーマイコン「ML620500シリーズ」
業界トップクラス※の超低消費電力
16bitローパワーマイコンシリーズを開発
~ 低消費電力(Halt電流450nA)を維持し、さらに高機能・高性能化、電池駆動機器や産業機器に最適 ~
※2014年9月ラピスセミコンダクタ調べ
要 旨
ロームグループのラピスセミコンダクタは、低消費電力でありながら高速処理を必要とする産業機器や住宅設備機器をはじめ、電池駆動機器や民生機器に最適な汎用16bitローパワーマイコンシリーズ「ML620500シリーズ」を開発しました。
「 ML620500(ML620Q503/Q504/Q506)シリーズ 」は、16bitローパワーマイコン開発第1段となる製品で、ラピスセミコンダクタオリジナルの高効率16bit ローパワーCPUコアを搭載し、書換え可能なフラッシュメモリを内蔵、ISP(イン・システム・プログラム)に対応しており、オンボードでの書込みが可能です。
新たに8bitローパワーマイコンよりもクロック周波数を高速化し乗除算器を搭載することで演算性能を向上しており、Bluetoothなどの無線モジュールや各種センサモジュールと組み合わせた、より複雑なアプリケーションの実現が可能になりました。
さらに、新たに設けた複数のパワーダウンモードを組合せることにより、動作全体の平均消費電力を、従来の 8bitローパワーマイコン よりもさらに低減することが可能です。
2014年10月から「ML620500シリーズ」のサンプル出荷を順次開始、2014年12月から順次量産出荷を開始する予定です。生産拠点はラピスセミコンダクタ宮城(宮城県)です。
今後もラピスセミコンダクタは、小型電池駆動機器をはじめ、さまざまな電子機器の低消費電力ニーズにお応えすべく、今回リリースした汎用の「ML620500シリーズ」に加えて、高ノイズ耐性シリーズ 、LCDドライバ搭載シリーズと、16bitローパワーマイコンのシリーズ展開を図り、省エネで社会に貢献してまいります。
ラピスセミコンダクタ マイコンシリーズ
背 景
近年、家電や電池駆動製品のみならず、産業機器や住宅設備機器、データロガーなどのセンサ制御端末といったアプリケーションにおいても、マイコンに対する低消費電力要求は高まっております。加えて、制御パネルのカラー化や大容量化に伴うデータ量の増大、無線モジュールとの組み合わせによる通信機能の追加など、マイコンに対しては低消費電力と共に、高機能・高性能も要求されるようになりました。
これらのニーズに応えるため、ラピスセミコンダクタは8bitローパワーマイコンで高い評価を頂いておりました低消費電流技術をベースに、低消費電力でありながら高機能・高性能な16bitローパワーマイコンシリーズを開発しました。
新商品の特長
1. 超低消費電力でありながら高機能処理を実現
従来の8bit、4MHz動作のCPUでは処理が間に合わない機能に対して、今回開発した新商品は、16bit、16MHzと、CPUバス幅2倍、動作周波数4倍に性能を向上させつつ、Halt時の消費電流は450nAと従来と変わらない値に抑えることに成功しました。これにより、低消費電力を維持しつつ、グラフィカルな液晶表示制御や通信制御など今までできなかった高機能な処理が可能になりました。
2. 複数のパワーダウンモードで低消費電力化をサポート
一般的に、マイコンでは、CPUを稼働させる必要がない時間には消費電力の少ないパワーダウンモードに移行し、平均消費電力の低減を図ります。
従来品の8bitローパワーマイコンでは、動作時モードとパワーダウンモードを使い分け、全体の平均消費電流を低減しておりましたが、今回開発した16bitマイコンシリーズでは、パワーダウンモードをさらに細分化し、その最適な組合せにより、さらなる低消費電力化を可能としました。(※当社評価条件による)
3. 幅広い用途に対応可能な電源電圧範囲をカバー
電池駆動だけでなく、産業機器向けのアプリケーションにも対応するために、電源電圧範囲を1.8Vから5.5Vまでカバーします。
さらに、全電圧範囲で動作周波数16MHzを実現。これにより電池駆動アプリでも、産業機器アプリでも、16MHzでの高速処理が可能になりました。
4. 外部クロックが停止してもマイコンを暴走させないバックアップ機能
外部供給のクロックが何らかの理由で停止した場合でもマイコン制御が誤動作しないように、クロック停止を検知して速やかにバックアップクロックに切り替える機能を新規開発し搭載しました。
5. 充実のサポート体制
簡単に評価を開始できる「Quick Starter Kit」を提供。
リファレンスボードとソフトウェア開発環境をパッケージでご提供しております。
さらに、ホームページからユーザ登録していただくことで様々なマニュアルやツールが利用できる「 ユーザーサポートサイト 」など充実したサポート体制を提供しております。
仕様
- ラピスセミコンダクタオリジナル 高性能16bitRISCコア搭載
- 16ビット長命令、転送・算術演算・比較・論理演算・乗除算など豊富な命令セット
- オンチップデバッグ機能を内蔵
- 最小命令実行時間は30.5us(32.768kHzシステムクロック)、62.5ns(16MHzシステムクロック)
- セルフ書き込み機能付き
フラッシュメモリ内蔵
- 32KB Flash + 2KB RAM(ML620Q503)
- 64KB Flash + 6KB RAM(ML620Q504)
- 128KB Flash + 12KB RAM(ML620Q506)
- データFlash:2KB
- 高速内蔵発振クロック:16MHz(±1%、25°C)、(±5%、-40 ~ 85°C)
- 低速内蔵発振クロック : 32.768kHz(±1%、25°C)、(±3%、-40 ~ 85°C)
- 8bitタイマ : 8 (8bitタイマ × 2で16bitタイマとして使用可)
- 16bit多機能タイマ : 4 (16MHzで動作可、タイマ/PWMなど選択可能)
- 乗除算コプロセッサ : (乗算・除算・積和演算対応)
- 各種シリアルインタフェース
- アナログコンパレータ : 2ch
- 12bit逐次比較型A/Dコンバータ : 12ch
- 24bit RC型A/Dコンバータ : 2ch
- 電源電圧監視回路
- 低電圧検出回路
- 動作周波数 : 32.768kHz ~ 16MHz
- 動作温度 : -40°C ~ 85°C
- 電源電圧 : 1.8V ~ 5.5V
- パッケージ : TQFP48(7.0mm × 7.0mm)
販売計画
- 商品名 : ML620Q503 / ML620Q504 / ML620Q506
- サンプル出荷時期 : 2014年10月より
- 量産出荷予定 : 2014年 12月より
応用分野
- ロガーなどセンサ制御端末
- 家電制御/家電・産機操作パネル
- パーソナルヘルスケア
- 電子棚札
- サーモスタット
- メータ
- 工具・産機制御
お問い合わせ
本件に関するお客様からのお問い合わせ先
お問い合わせのページ
※各リリースの記載内容は発表日現在のものです。 その後予告なしに変更される場合がありますので、あらかじめご了承ください。
※本文に記載されている会社名、商品名は一般に各社の商標または登録商標です。