小電力セキュリティ無線局および
特定小電力無線局用の無線通信LSI「ML7344J」

ラピスセミコンダクタは、160MHｚ～510MHzの小電力セキュリティ無線局および特定小電力無線局用の無線通信LSI「ML7344J」を開発しました。本LSIは、業界トップ^※の低受信電流 5.9mAを実現したこと、業界最小の0.8ms内の電波監視を実現する高速電波チェック機能を搭載したことにより、従来商品に比べ電波監視時の消費電流量を1/10 ( 5µA・s)以下に抑えることができるため、バッテリー機器の大幅な長時間寿命に貢献します。

なお、本商品は、2013年2月よりサンプル出荷を開始し、2013年9月より量産出荷を開始する予定です。生産拠点はラピスセミコンダクタ宮崎（宮崎県）となります。

※ ラピスセミコンダクタ調べ

近年、さまざまな機器間通信に無線が使用されており、その多くが電池で動作しています。一方で、ガスメータや水道メータに代表される無線検針（AMR: Auto Meter Reading）やセンサ間の連動が必要な機器においては、数秒で通信有無を確認し、電波が無ければスリープ状態に移行するという動作を繰り返す必要があります。そのため、電池寿命のほとんどを間欠受信動作に費やしており、長期間の電池駆動は困難とされてきました。

今回ラピスセミコンダクタでは、これまでに蓄積した設計やノウハウを活用することでRF回路を最適化し、受信時の消費電流を従来の15mAから業界最小の5.9mAに低減することに成功。また、高速電波チェック機能を新規開発したことで、業界最短の0.8ms（従来4ms）以内でスリープ状態から電波有無を判定することができます。間欠動作で消費される電力は、受信時の電流と起動時間の積算が大きく効いてきます。受信電流を押さえ、かつ起動時間を短くすることで、従来の60µA・sから5µA・s 以下の消費電力に抑える事ができるため、電池駆動の機器でも長時間の使用が可能になります。
また、ML7344のファミリ展開として、日本だけでなく、欧州のメータ通信規格 Wireless M-Bus ^注１に対応した「ML7344E」、および中国の電力メータ通信規格Q_GDW374.3に対応した「ML7344C」も順次サンプル出荷を開始する予定です。