2013年1月31日
低消費電力をさらに1/2化した業界トップの超ローパワーマイコンを開発

ラピスセミコンダクタは、セキュリティトークン注1などコイン電池や乾電池で長時間動作が必要な機器向けに、従来品に比べて消費電流を1/2に低減した超ローパワーマイコン「ML610Q474ファミリ」を開発しました。
本LSIは、業界トップの低消費電流(Haltモード注2時0.25μA)の実現することで、コイン電池など小型・小容量な電池でも長期間使用することが可能です。また、低消費電流でありながらIEC61000-4-2ノイズテストにて±30KVをクリア注3 する高いノイズ耐性を実現しています。
なお、本商品は、既に2012年11月よりサンプル出荷(サンプル価格:200円)を開始しており、2013月3月から量産を開始する予定です。生産拠点は、ラピスセミコンダクタ宮城(宮城県黒川郡)となります。

【用語解説】
- 注①:セキュリティトークン
ネットバンキングなどのネットワークを利用したシステムでの個人認証をおこなう際に
必要なパスワードを生成する認証装置。 - 注②:Haltモード
マイコンの待機時モードのひとつ(32KHz発振時)。 - 注③:ラピスセミコンダクタ リファレンスボードにて間接放電で測定
普及の著しいネットバンキングに必要なワンタイムパスワード生成のために用いられるセキュリティトークンや、時計といった電池駆動のアプリケーションでは、ボタン電池1個で数年の長時間安定動作が求められております。
ラピスセミコンダクタでは、このようなニーズに対応するために従来から徹底的に低消費電流化にこだわり、業界最小クラスの0.5µAを実現した ML610400シリーズ を提供してきました。
しかし、近年これらのアプリケーションでは一層の機能増加が進み、消費電力が増大することによってバッテリ寿命が短くなるという課題が生じており、よりいっそうの低消費電力を実現した商品を求められています。

一方、従来は内部の消費電流を抑えるとノイズの影響を受けやすくなり、誤作動を引き起こす可能性が高くなるという課題があり、低消費電力の実現には至っていませんでした。
今回ラピスセミコンダクタでは、内部のレギュレータと発振回路を新たに開発し、独自の低リーク電流プロセスを採用することで、従来品比1/2かつ業界トップクラスの低消費電力を実現しました。
さらに内部の回路やレイアウトの工夫により高いノイズ耐性が確保でき、ノイズ耐性のテストであるIEC61000-4-2において±30KVをクリアしています。
また、低消費電流と高ノイズ耐性を両立させることで、機器の安定した長時間動作も可能にしました。低消費電流を実現したことにより、小容量の安価なコイン電池が使用できるため、お客様のシステムのコストダウンや小型化にも貢献します。
なお「 ML61Q474ファミリ 」では、簡単に評価を開始できるML610Q474リファレンスボードとソフトウェア開発環境も合わせて用意しており、ホームページからユーザ登録を行うことで様々なマニュアルやツールが利用できるなど、充実したサポート体制を提供しております。

特長
- ●セキュリティトークンに必要な機能を1チップで実現
- ●ラピスセミコンダクタオリジナル 高性能8bitRISCコア搭載
- ●低消費電力
- ●Haltモード時、0.25μAの低消費電力を実現
- ●16KB 内蔵Flash(ML610Q474、ML610Q475、ML610Q476)
- (Flashの代わりに16KB ROMを内蔵したML610474、ML610475、ML610476も用意しています。)
- ●1KB RAM内蔵
- ●パッケージ:die, 80ピンTQFP
応用分野
- セキュリティトークン
- 時計
- 玩具
販売計画
- ●商品名
- ML610Q474 ファミリ
- ●サンプル出荷時期
- サンプル出荷中。2013年3月より量産出荷予定
- ●サンプル価格
- 200円(税別)
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