特定小電力無線通信LSI
「ML7396」

ラピスセミコンダクタは、特定小電力無線局用の無線通信LSI「ML7396」のサンプル出荷を開始しました。本LSIは、特定小電力無線局の950MHz帯標準規格（ARIB STD-T96 注①）及び2012年7月に本格的に開放される920MHz帯に使用できます。本LSIは、ラピスセミコンダクタが得意とするRF-CMOS技術を用い、業界最高水準の受信感度と低消費電力を実現しています。本商品は、2012年4月より月産100万個の体制で量産出荷を開始する予定です。

近年、地球温暖化を抑制するために低炭素化社会の実現が世界的な課題となっており、各国でエネルギーの効率的な利用に向けた取り組みが拡大しています。その取り組みにおいてキーとなる装置は、通信機能を有するスマートメータ・スマートタップとなります。世界的にもスマートメータに適した無線通信規格としてIEEE802.15.4ｇ（注②）が策定されており、日本国内でもスマートメータ用の周波数帯域（950MHｚ／920MHｚ）開放により、スマートメータの立ち上げは加速されていくと予想されます。このような動きの中で、遠隔検針や制御、エネルギーマネージメントで必要となる通信機能は必須であり、その基幹部品となる通信用LSIをラピスセミコンダクタの得意技術とするRF-CMOS 1チップ技術を用いて「ML7396」として開発しました。

スマートメータシステムのような複数社の製品でシステムが構成される場合は、安定的な運用のため標準規格を用いて相互接続性を確保することが必要です。「ML7396」は日本の無線規格を満たすことはもとより、IEEE802.15.4d （注③） およびIEEE802.15.4gの物理層に準拠することで、同規格に準拠する製品との相互接続が保たれます。 受信感度は業界最高水準の-105dBm (100kbps時)で、内蔵のエラー訂正機能であるFEC機能 （注④） を使うことによってさらに受信感度を向上させることができます。（800byteのパケットエラー換算で約3dBアップ。） 送信出力も920MHz帯スマートメータ向けの20mW(13dBm)をLSI単体で出力することが可能です。 パッケージは6mm x 6mmの40ピンWQFNパッケージを採用しています。

ラピスセミコンダクタは、今後も小電力セキュリティ無線局や特定小電力無線局機器でご利用いただける400MHz帯域、900MHz帯域およびワールドワイドで使用可能な2.4GHz帯域の無線通信LSIの商品ラインアップ拡充を図っていきます。