高画質処理技術で先進運転システムを支える

⾞載電子ミラー向け画像LSI
開発プロジェクト

「画像LSI」とはビデオ信号を入力し、画面サイズに合わせて画像を拡大・縮小したり、他の画像や文字と合成を行い、高画質な映像を液晶ディスプレイに表示するLSIのことです。当プロジェクトでは、各メーカーで開発が活発化している自動車のルームミラーやサイドミラーの電子化を実現する「電子ミラー」向け画像LSIを開発しました。

PROJECT MEMBER

画像LSI開発チーム

画像LSI開発エンジニア

1996年入社

カメラとモニターを持つ「ミラーレス車」を
ターゲットに
電子ミラー向け画像LSIを開発

開発の背景

近年、自動車に多くの液晶ディスプレイが搭載されるようになりました。これは、運転支援装備やハイブリッド車の状態表示により、車内で表示する情報量が増加しているためです。
カーナビやエアコンがある運転席中央部はCID(センターインフォメーションディスプレイ)化され、地図表示はもちろん、エアコンや車の設定と状態を高解像度で表示します。また、スピードメータなど計器類のあるインパネ部分もフルディスプレイ化が進んでいます。


鏡像から映像に

近年、自動車に多くの液晶ディスプレイが搭載されるようになりました。これは、運転支援装備やハイブリッド車の状態表示により、車内で表示する情報量が増加しているためです。
カーナビやエアコンがある運転席中央部はCID(センターインフォメーションディスプレイ)化され、地図表示はもちろん、エアコンや車の設定と状態を高解像度で表示します。また、スピードメータなど計器類のあるインパネ部分もフルディスプレイ化が進んでいます。


幅広く情報を収集し、仕様を決定

開発をどのように進めたか

従来のミラーを電子ミラー化することで、単に映像が映るだけでなく、さまざまな機能を持たせることができます。例えば、複数のカメラ映像の同時表示や、文字や図形表示、画質調整・補正等の機能です。
電子ミラーに機能的なメリットがある一方で、従来のミラー同等以上の視界の確保、コスト増に対する低減が求められます。
商品仕様・機能・コスト・納期において、お客様の要望に合うように進めました。
機能面では、高解像度カメラ入力への対応、画面合成・拡大・縮小・切り出し、画面上に各種設定を可能にするOSD※1や各種画像補正機能※2を搭載しています。また、お客様ごとに異なるご要望に対応しつつ、汎用性とのバランスを考慮しました。
コスト面では、本商品1チップでお客様の要求機能を満足するようにシステムインテグレートを行い、これまで外部チップで行っていたインターフェース変換機能や外部メモリを取り込むことでシステムコスト低減を行うことが出来ました。
納期面では、お客様の試作時期にサンプル納入する必要があります。必要となる新機能は事前に技術開発を行い、過去の設計資産との組合せで商品化を行うことで納期を達成しました。

※1 OSD:オンスクリーンディスプレイ
※2 画像補正機能:角度補正、歪補正、台形補正など

大変だったことは

先ほどのコスト面に関して、インタフェース変換機能を搭載しましたが、入出力インターフェース仕様の最適化が大変でした。
インタフェースにはアナログ、デジタル含めて多様な方式があり、どれとどれを搭載すべきかという判断です。

仕様はどうやって決めたのか

LSIの商品化は設計担当だけで行うのではなく、仕様を決めるマーケティング担当なども含めたプロジェクトチームで行います。今回は、設計リーダもマーケティング担当と共に何度もお客様を訪問し、幅広く情報を収集し、設計と製造の観点も加味して仕様を決定しました。

技術面で苦労した点は

画像補正機能を低コストで実現することに苦労しました。たとえ必要な機能の実現や性能向上のためだとしても、安易にLSIの回路規模を大きくすることはできません。チップサイズが大きくなればコストに影響するので、チップサイズを抑えつつ必要な機能を実現する必要があります。このトレードオフを念頭に、効率のよい方式や回路を作っていくのは、このプロジェクトにかかわらずLSI設計エンジニアの重要なチャレンジになります。

多くの引き合いをいただき
開発コンセプトが正しかったことを実感

プロジェクトの現状

開発したLSIはすでにサンプル出荷中で、複数メーカーの自動車に採用が見込まれており、今後順次量産に移行していきます。
また、国内だけではなく海外からも多くの引き合いをいただいています。

プロジェクトを振り返って

すでに採用が決まったり、多くの引き合いをいただいていることから、この商品の開発コンセプトが正しかったことを実感しています。
実は、当プロジェクトの開始時にすでに別のプロジェクトが動いていて、並行して2機種のLSI開発を行うことになりました。限られた人員で同時に2機種のLSI開発を行うのはとても大変でした。 幸いにも電子ミラーの市場拡大を予測し、事前に新規の画像補正回路の検討を進めていたことや、経験豊富な開発担当者と1年目の新入社員というコンビが連携し頑張ってくれたおかげで、お客様の「早くサンプルを手にしたい」という要望に応えることができました。