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LSI事業戦略 2015 新規事業開拓プロジェクト


産業用途リチウムイオン二次電池監視の市場ニーズを拾い上げ、ソリューションとしての電池監視LSI商品の充実を図る

Part.5 前編 電池監視LSI開発 チームリーダー 中村 恭太郎

ラピスセミコンダクタは、早くからリチウムイオン二次電池市場をターゲット市場に位置付け、電池監視LSI開発部署を稼働させ商品開発に取り組んでいる。MCUや無線といった汎用性が高いLSIに比べ、ASSP (特定用途標準品) とも言える商品開発に対して、専任部署を設けていることでもこの市場に対する期待が伺える。

2013年度のLSI事業拡大戦略では、産業用途へのフォーカスとラインアップ拡充がテーマであった。2015年度の開始にあたり、その進捗と今後について、LSI商品開発本部 電池監視LSI開発チームのリーダーである中村 恭太郎 (なかむら きょうたろう) 氏に聞いた。

産業用途への注力を継続しラインアップの拡充が進む、予測通りリチウムイオン二次電池の市場は拡大

-最初に2013年からの進捗状況を伺いたい。

中村 恭太郎
電池監視LSI開発チーム
チームリーダー

中村電池監視LSI開発チームリーダー(以下敬称略):2013年の時点では、1つの課題であったラインアップの拡充として、7セル対応の「 ML5203 」と16セル対応の「 ML5238 」の2つの商品を追加し、対応セル数の幅を広げることで対応するアプリケーションを増やすと同時に、よりアプリケーションにフィットするラインアップにすることができました。

現在、これらの2商品は量産出荷しており、当時すでに量産していた13セル対応の「 ML5235 」と共に主力商品となっています。

これらに加えて、当時は計画中とお話しさせていただいたADコンバータ内蔵タイプの2商品をリリースしています。14セル対応の「 ML5236 」は2014年10月から、16セル対応の「 ML5239 」は2015年5月から量産しています。

さらに、10セル対応の「 ML5233 」を9月から量産の予定です。

基本的に注力している市場は変わらずに産業用途です。アプリケーションは多セル(4セル以上)の電動工具、UPS(無停電電源装置)、電気自転車、蓄電システムなどがメインになっています。

また、最近では、コードレス掃除機など民生機器でのご要望も増えてきており、こちらもターゲットとしております。やはり、リチウムイオン二次電池の市場はどんどん広がっていることを実感しています。

 
スタンドアロンとアナログフロントエンド、そして対応セル数の組み合わせでカバレッジを広げる

-ラインアップが増えたとのことで、あらためて現在のラインアップの概要を確認したい。

項 目

スタンドアロンタイプ

アナログフロントエンド
(AFE) タイプ

ML5203

新商品

ML5233

ML5235

新商品

ML5236

ML5238

新商品

ML5239

対応最大セル数

7

10

13

14

16

16

アプリケーション

電動工具

電動掃除機

-

-

-

-

電動自転車

電動アシスト自転車

UPS (無停電電源装置)

小型蓄電システム

-

-

-

-

中型蓄電システム

-

-

-

-

モニター
機能
(測定機能)

モニター項目

セル電圧 / 電流

※ AFEモード時

-

セル電圧

※ AFEモード時

セル電圧 / 電流 / 温度

セル電圧 / 電流

セル電圧 / 温度

モニター出力
(MCU I/F)

アナログ

※ AFEモード時

-

アナログ

※ AFEモード時

デジタル

デジタル

デジタル

ADC内蔵

-

-

-

-

多段接続

-

-

-

-

充放電制御

ローサイド

Nch-MOSFET

ローサイド

Nch-MOSFET

ローサイド

Nch-MOSFET

ハイサイド

Nch-MOSFET

ローサイド

Nch-MOSFET

-

保護機能

過充電・過放電検出

過充電

-

-

放電・充電過電流検出

-

-

-

ショート電流検出

-

-

-

温度検出

-

-

-

-

-

中村:現在、6機種あります。分け方としては、MCUが不要なスタンドアロンタイプとMCUを要するアナログフロントエンド(AFE)タイプがあります。

まず、スタンドアロンタイプですが3機種になります。7セル対応のML5203と13セル対応のML5235、そしてリリースしたばかりの10セル対応の「 ML5233 」になります。

アナログフロントエンドタイプは、16セル対応のML5238と、新商品の14セル対応「 ML5236 」および16セル対応「 ML5239 」の3機種になります。

アプリケーションの観点では、7セル対応のML5203と10セル対応の新商品ML5233は、電動工具などのモータを利用したアプリケーションをイメージしています。特に10セル対応のML5233は、先ほどお話したコードレス掃除機を意識しています。どちらも、スタンドアロンタイプです。このような機器には、自己完結できるシンプルなタイプが使いやすい場合が多いです。

13セル対応のML5235と新商品の14セル対応ML5236は、電動自転車/電動アシスト自転車や無停電電源装置、そして小型の蓄電システムなどのアプリケーションに適しています。ML5235はスタンドアロンタイプで、すでに海外の電動自転車に多くの実績があります。新商品のML5236はアナログフロントエンドタイプで、業界初*の14セル対応でハイサイド制御を実現したことから、現在多くのお客様に検討をいただいています。

(*2014年9月 ラピスセミコンダクタ調べ)

最後に、16セル対応のML5238および新商品ML5239は、太陽光発電などの中程度までの蓄電システムなどが現状の主なアプリケーションになっており、両方ともアナログフロントエンドタイプです。

-新商品の開発コンセプトは?

中村:開発コンセプトのコア部分に変更はありません。ラピスセミコンダクタ(以下ラピス)の電池監視LSIは、多セル対応、低消費電流、高精度、周辺回路内蔵が基本コンセプトです。多セル対応に関しては業界最多クラスの直列16セル対応です。

消費電流は、一番小さなものではノーマルモードでわずか25µA(typ)、スリープ時には0.1µA(typ)を実現しています。精度は、セル電圧測定精度として最高で±10mV(typ)を達成しています。

これは、多セルになればなるほど誤差の影響が大きくなるので重要なポイントです。周辺回路の取り込みで特に重要なのは保護機能です。過充電、過放電、過電流、過熱といった必要になるほとんどの保護機能を内蔵しています。そして、これらは新商品すべてに継承されています。

新商品の開発にも、ラピスのコア技術である80V高耐圧デジ・アナ混載技術と低消費電力化技術を活用しています。コア技術を生かした特長あるLSIを開発するのがラピスのポリシーですから、こういった性能や特長を必要としている市場に向けた商品を開発しています。

したがって、これら新商品に関しても前述の通り、民生携帯機器に比べ高電圧大容量、つまり多セルを必要とする産業機器市場をターゲットにしています。

産業機器のバッテリが従来の鉛蓄電池やニッケル水素電池から、体積エネルギー密度や性能面が優位なリチウムイオン二次電池への置き換えが進むことで生まれるニーズを取り込み、リチウムイオン二次電池を効率よく、そして何よりも安全に利用できるソリューションを開発するのが方針です。この点も変わりはありません。

これらをベースに新商品には、バリエーション増強、そして市場ニーズの取り込みという観点から、今までになかった機能を搭載しました。

-それでは、具体的な特長を説明いただきたい。

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