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LSI事業戦略 2015 MCU開発


超低消費電力マイコンとタフマイコンを主軸に16ビットMCUは新規市場を開拓、ソリューション開発はIoTに向かう

Part.3 後編 MCU開発 ユニットリーダー 石村 民弘

低消費電力でノイズ耐性を高めたタフなMCUがTime-to-marketを短縮
産業機器や家電で、タフな16ビットMCUの需要が高まる

-もう一つの「ローパワータフマイコン」とはどんなMCUなのか?

石村: ML620150ファミリ は低消費電力でありながら、ノイズ耐性が高く、高温環境での動作を可能にした16ビットMCUで、実績の高い8ビットのML610100シリーズのコンセプトを継承しています。アプリケーションとしては、小型産業機器、そして家電になります。現状の小型産業機器や家電でのMCUはまだ8ビットが主流だと思いますが、近年、より高度な制御や処理能力の要求が増えており、16ビットMCUの需要が高まっていることが開発の理由です。

MCUの電源や信号ラインにノイズが乗ると、誤動作を引き起こします。一般的には、この種のノイズ対策には多くのノウハウと実機での検証が必須で、多大な時間と労力を要します。解決が長引く場合には、市場投入スケジュールに影響を及ぼすこともあります。ML620150ファミリは、長年のユーザーサポート実績や、蓄積した各種ノウハウを商品へ反映させることでノイズ耐性を向上させており、お客様でのノイズ対策は大幅に緩和されます。

加えて、ESD耐量も非常に高く設計されています。IEC61000-4-2では最高のクラス4(±8kV、間接放電)をクリアしており、これより上のクラス設定がないので参考値になりますが、同条件で弊社測定限界の±30kVをクリアしています。

-産業機器がそのようなタフネスを必要とするのは理解できるが、家電でも必要なのか?

石村:実は家電は、モータやコンプレッサ、IH、マグネトロンなどのノイズ源を持っているので、自身が発生させているノイズによってMCUが誤動作するケースが多いのです。さらに、特別なノイズの配慮がない一般家庭用AC電源からの給電、そして静電気対策をしていない人間が触れたり操作するので、ESDをまともに受けることもしばしばです。

温度に関しても、IHヒータや電気炊飯器など発熱体を搭載している機器では、電子制御基板の温度条件は決してよくありません。こういった環境での使用が想定されるため、ML620150ファミリの動作温度範囲は-40°C ~ +105°Cが保証されています。

16ビットMCUのラインアップ拡充は続く
マーケティングの強化により、ソリューション商品は確実にニーズを捉える

-商品の拡充が進んでいるが、さらなる展開があるのか?

石村:商品の拡充に加え、お客様のニーズを理解し、ラピスの強みを生かした新商品展開も進めていきます。

例えば、バッテリ駆動機器の電池寿命を大きく伸ばすために、最低動作電圧を1.8Vよりはるかに下げた超低電圧動作可能なMCU。また、業界初となりますが、水晶振動子とMCUを1パッケージ化し、-45°C ~ +85°Cの温度範囲で±5ppmの高精度発振周波数を実現した商品を開発しました。

この商品は、省スペース、高信頼性、時間精度が必要になるスマートメータなどのアプリケーションへの採用が進んでいます。

ラインアップ拡充中のタフマイコンの方では、基本コンセプトはML620150ファミリと同じですが、最低動作電圧を1.8Vから1.6Vに引き下げ、ニッケル水素バッテリ2直にも対応できるML620130というファミリの開発が進んでいます。

-2015年度の全体的な戦略となる、ソリューション事業の促進とIoT市場への注力に関しては。

石村:実は、ソリューション提供というアプローチは以前から行っています。2015年度の戦略は、何もベースがないところに急に出てきたものではなく、各LSI開発ユニットのソリューション開発の取り組みを明確にして強化する意味合いを含みます。

ソリューション製品の例では、2012年から センサ制御MCU を提供しています。U8コアの8ビット ML610790に加え、ARM® Cortex®-M0を搭載した32ビット ML630790は、センシングや演算を行い結果だけをホストプロセッサに送ることで、ホストプロセッサの負荷を大幅に低減し、システム全体の低消費電力化を可能にします。8ビット品は低消費電力が重要となるウェアラブル機器やセンサネットワーク、アクセサリ系のアプリケーションに適しています。

32ビット品はハイパフォーマンスが要求されるスマートフォンなどに適しています。これらの商品は単にMCUだけでなく動作状態検出、歩数計、カロリー計算などアルゴリズムも含めたサンプルプログラム、Android対応の加速度、地磁気、気圧値測定サンプルプログラムなどもあわせて提供しています。

IoTとしては、ラピスが7月から発売開始した920MHzでの無線通信を可能とするマイコンボード「 Lazurite Sub-GHz 」があります。このボードには先ほどご紹介した、超低消費電力ML620500ファミリのML620Q504 を搭載したArduino互換のマイコンボードで、業界最小の低消費電力(@待機時)を実現しています。各種センサとの連携で環境・農業・工業用途に最適なIoTのプロトタイプを実現することができます。

※ 2015年7月ラピスセミコンダクタ調べ

※ ARM®およびCortex™はARM社の商標または登録商標です。

※ その他の社名、製品名などは、一般に各社の商標または登録商標です。

体制面では、無線通信ソリューション開発ユニットのソリューションチームに当方のメンバーが合流しています。また、この4月にマーケティング専任のチームが発足し、マーケティングの強化を行っています。これはお客様が本当に必要とするソリューションを開発するという方針をより強固にするものです。

今年度は汎用16ビット品の市場投入に伴い、超低消費電力MCUとタフマイコンをもって、小型産業機器と家電の市場を開拓していきます。また、長くお付き合いいただいているお客様のニーズをしっかりと理解して、ソリューション提供ができるようにしていきたいと考えています。

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