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LSI事業戦略 2015 無線通信ソリューション開発


Sub-GHz/Wi-SUN、Bluetooth SMARTはIoTの鍵。マイコン搭載通信システムLSIとモジュール化がソリューション商品の第一ステップ

Part.2 後編 無線通信ソリューション開発 ユニットリーダー 奥秋 康幸

すでにソリューション展開は始まっている
Wi-SUN向けマイコン搭載無線通信システムLSIと、すぐに使えるBluetooth® SMARTモジュール

-具体的なソリューション商品や開発の方向性を教えていただきたい。

奥秋:最初に、Sub-GHz のほうから説明しましょう。Sub-GHzのコアデバイスは、ML7396 という業界に先駆けて開発された特定小電力無線通信向けのLSIです。各国の規格に合わせたバージョンがありますが、国内では920MHz帯対応のML7396Bがスマートメータの無線通信用に電力各社に採用され、大規模HEMS実験にも使われています。

また、Wi-SUNのCTBU(注1)(Certified Test Bed Unit)に採用されたことでも、性能が証明された実績の高い無線通信LSIです。

注1、CTBU : 第3者認証機関におけるWi-SUN適合認証実施のための基準ユニット

2016年から電力小売り自由化が開始されることから、それに向けて開発を進めていた業界初のWi-SUNに最適化したLSI、ML7416 を本年3月に発表しました。ML7416は無線通信機能とWi-SUNに最適な制御用CPUを集積した業界初のワンチップLSIで、無線通信部にはML7396B、CPU部には業界標準32bit CPUコアであるARM® Cortex®M0+が搭載されています。

さらにWi-SUNハードウェア暗号エンジンとWi-SUNプロトコル格納用メモリも搭載しています。これが、先ほどの話で出た、Wi-SUN通信に対するソリューション商品の1つになります。同様のコンセプトで次世代Gateway向けのLSIと、センサネットワーク向けとして、ラピスの低消費電力マイコンとML7396Bを組み合わせたLSIも計画しています。

※ ARM®およびCortex™はARM社の商標または、登録商標です。

通信LSIにマイコンや関連機能を内蔵するメリットは、省スペース化や処理性能の向上などになりますが、もっと重要なのはマイコンやメモリなどはいずれにしても必要になる周辺部品なのです。回路や機能の最適化や部品調達なども含めた利便性を考えれば、必要な機能が1つにまとまっていることはお客様のニーズであり、ソリューションの観点からは自然な方向性です。こういった点から、基本的には、マイコン内蔵の通信システムを中心に開発して行くつもりです。

モジュール化に関しては、グループ会社のロームが、ML7396Bをコアにしてマイコンやアンテナを内蔵した汎用Wi-SUNモジュール BP35A1 を提供しており、高周波設計、電波法認証取得、ドライバ設計が不要なソリューションとして販売されています。

-Bluetooth® SMARTに関しては?

奥秋:Bluetooth® SMART は、ウェアラブルにフォーカスして展開していきます。ウェアラブル機器としては、生体情報をモニタしてスマートフォンと連携するタイプを1つのターゲットにしています。

また、PUSH通知や、位置測位をしてロケーションに合わせて必要な情報を配信するBeaconといったアプリケーションも今後の発展が期待できます。

開発のキーワードは、「電池寿命の増大」、「バッテリの小型化」、「お客様製品の小型化」です。スマートフォンやタブレットと接続するウェアラブル機器のほとんどは、コイン電池で動作しています。当然ながら、低消費電力化がこれらのアプリケーションでは強く求められます。消費電力が小さくなれば、同じ稼働時間なら電池を小さくでき機器のサイズや重量をより小さくできます。

また、電池が同じサイズなら稼働時間を延ばすことができます。いずれにしても、小さく軽いことがウェアラブル機器の重要課題ですので、ラピスの低消費電力化技術の貢献度は高いと思います。もちろん、無線性能の妥協は一切ありません。

LSI開発に加えて、Bluetooth® SMARTではモジュール開発も進んでいます。

この4月に発表したMK71050-03は、Bluetooth® SMART対応 2.4GHz無線モジュールで、前述のようにスポーツ & フィットネス、ヘルスケア機器などウェアラブル機器に向けたモジュールです。

-モジュールに注力している理由は?

奥秋:この市場では、斬新なアイディアによる既成概念を超えたアプリケーションが生まれています。そして、その生みの親は、ハードウェアやソフトウェアの開発機能をもたないベンチャー企業などが多いのです。

彼らに対して、高周波設計が必要な通信用LSIを提供することは意味がありません。彼らにとってのソリューションは、ハードウェアは載せるだけでBluetooth® SMARTを実装できるモジュールであり、ソフトウェアもサポートされることなのです。

MK71050-03には「らくら~くモジュール」という別名を与え、必要な資料とサンプルソフトウェアは当社専用サイトからダウンロードできるようにしました。

さらに、「 USB評価キット 」に対応したスマートフォンアプリ「 BLE TOOL for Android 」「 BLE_TOOL for iOS 」(無料)も用意しており、スマートフォンで手軽にBluetooth® SMARTの通信をテストすることが可能です。また、評価や少量生産のために ネット通販 で1個から購入できるようにしました。

ソリューション事業の明示と専任チームの発足がIoTへの注力を加速

-2015年度の会社全体の戦略として、ソリューション事業の促進とIoT市場への注力が提示されているが。

奥秋:ソリューション事業とIoT市場への注力というのは、実際にはかなり進んでいます。冒頭にありましたように、2013年度の時点で「通信機能とマイコン、そしてセンサを組み合わせるモジュール開発」という話を口に出しており、すでに商品化されているものもあります。

このコンセプトはソリューション商品であり、IoTの要素そのものです。ただし、全社的にコンセンサスをとり、一つの事業として位置付けることにより強化を図ることは、非常に重要だと考えています。

4月から、無線通信ソリューション開発ユニットの中に、ソリューションビジネス企画チームとソリューション開発チームが発足し、MCU開発ユニットの人員の一部が合流しました。

実務面では今までにも日常的に関連するユニットと協力体制を取り、商品を開発してきましたが、ソリューションと名が付くチームにすることによって、ソリューション事業への取り組みが明確になったと思います。

IoTに関しては、すでに多くの商品や開発がIoTに関連しています。これは、ラピスの強みと、IoTの要素である無線、マイコン、センサが合致していることを表しています。

Sub-GHzデバイスはWi-SUN準拠によりIoTの基点となり、ウェアラブル機器はBluetooth® SMARTによってIoTとなります。そして、集積化やモジュール化は、お客様のニーズを取り込んだソリューション商品の開発にしっかりと向かっていると思います。

(聞き手:高橋 和渡 fプロジェクト・コンサルティング)

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