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LSI事業戦略 2015


 

Part.4 前編 メモリLSI開発ユニットリーダー 吉田 拓司

ラピスセミコンダクタは、その前身において日本のDRAM全盛期の1980年代からメモリLSIを手掛け、現在は種類と市場を絞った事業を展開している。
DRAMに関しては、DDRなどのメインメモリ市場とは一線を画し、俗にレガシーDRAMと呼ばれる容量がメガビット単位のDRAMを供給できる唯一の日本メーカである。また、NORフラッシュ互換の不揮発性メモリであるP2ROMといった独自のメモリ技術による商品も揃える。
長きにわたるメモリLSI設計の技術とノウハウを背景にもつラピスセミコンダクタのユニークなメモリLSI事業について、LSI商品開発本部 メモリLSI開発ユニットのユニットリーダー 吉田拓司(よしだ たくじ)氏に話を伺った。
最先端のメインメモリがメモリビジネスのすべてではないDRAMから独自の不揮発性メモリまで、お客様の様々な要望に応える。

-ラピスセミコンダクタ(以下ラピス)のメモリLSIの商品構成について

吉田 拓司
ラピスセミコンダクタ株式会社
LSI商品開発本部
メモリLSI開発ユニット
ユニットリーダー

吉田ユニットリーダー(以下敬称略):まず、揮発性メモリと不揮発性メモリに分かれます。揮発性メモリは、大きく分けてFP/EDO DRAM、SDRAM、FIFOメモリの3種類になります。FP / EDO DRAMは4M / 16M / 64M、SDRAMは16M / 64M / 128M / 256M、画像用に使われるFIFOは業界一*のラインアップで、3M / 4M / 5M / 6M / 10M / 26Mが揃っています。(*ラピスセミコンダクタ調べ)
不揮発性メモリは、ラピス独自のP2ROM、新型NORフラッシュメモリ、FeRAMで、こちらも3種類です。

P2ROMはProduction Programmed ROMの略称で、ラピスが出荷時点でお客様のデータを書き込んで納入するものです。フラッシュメモリと互換性があり、パラレルI/Fが8M~256M、シリアルSPI I/Fは16M~128Mとなります。 NORフラッシュメモリは新規開発品です。FeRAMは強誘電体を利用したメモリで、電池によるバックアップが不要な点などのメリットが注目されています。 また、すべてではありませんが、チップまたはウェハでの供給もしています。

-現状の商品ラインアップのコンセプトは。

吉田:かつてのメモリLSIのビジネスモデルは、最先端技術を駆使して大容量と高速化を進め、微細化とウェハの大口径化によってコストを下げ、膨大な数量を販売するのが主流でした。しかしながら、昨今では、このビジネスモデルを推し進めるには限界があり、多くのメーカがメモリ事業から撤退しています。そんな中でラピスは、長きにわたり培ったメモリLSI技術を活かして、お客様のニーズを取り込んだメモリLSIを作っていく方針をとりました。

レガシーDRAMは、パソコンの世界では忘れ去られたスペックかもしれませんが、産業機器やカーナビなどの他、様々な電子機器がまだまだ必要としています。P2ROMは、性能はもちろんですが、納期や在庫といったお客様の利便性向上をメリットとしたメモリです。

最近、メモリLSIには明るい話が少ないですが、メモリ自体は多くの電子機器に不可欠なデバイスです。ラピスは、かつての「先端微細加工技術ありき」のメモリビジネスではなく、様々な分野のお客様の様々なニーズを主体にした開発を行っています。そして、仕様などハード面だけではなく、品質や安定供給といったソフト面を非常に重要視しています。

レガシーDRAMの重要課題は安心できる品質と安定供給、現在供給できる日本メーカはラピスだけ。

-それでは、レガシーDRAMから伺うが、どのような用途があるのか。

吉田:ラピスは、Non-PC、つまりパソコン以外の市場に注力しています。カーオーディオ、カーナビなどの車載機器、FA,監視カメラ、医療機器などの産業機器、テレビ、ゲーム、プリンタ、AV機器などの民生機器、ルータ、スイッチ、FAXなどの通信機器では、レガシーDRAMがデータバッファやフレームメモリとして利用されています。

産業機器の例では、すでに開発済みのコントローラを容易に変更することができないなど、様々な理由で、様々な機器がレガシーDRAMを必要としています。

-性能面では。

吉田:DRAMの場合は、標準規格に準じる必要があり互換性が重視されるので、見かけ上はメーカ間で大きな違いはありません。お客様のボード設計においてはノイズをおさえるため、通常はダンピング抵抗を挿入して調整します。

ラピスのDRAMには、「出力ドライバビリティ調整機能」を搭載した機種があり、この機能によって、ダンピング抵抗やEMIフィルタも不要になり、性能向上、コスト削減、そして消費電力を削減することが可能になります。

汎用性とコストには競合品との差異はありませんが、お客様の使い勝手が向上するこのような機能は、ラピスが提供できる大きな付加価値だと思っています。

-レガシーDRAMは供給メーカが限られているせいか、品質や供給の話題が多いが。

吉田:それは、ラピスがもっとも重要視していることです。ラピスのDRAMは、「高品質と長期安定供給」が最大のセールスポイントです。これを裏付けるものとして、前工程は世代の違った商品をラピスの宮城工場、そしてDRAM専業のパートナーファンダリの2箇所で生産可能です。

後工程はラピスの宮崎工場とアッセンブリ専業メーカの2箇所で行うことが可能です。このBCP(Business Continuity Plan)戦略に基づく生産体制により、急な増産や災害が起こっても、お客様に迷惑をかけることはありません。品質、信頼性に関しては業界トップクラスであると自負しております。

ラピスは長きにわたり車載機器にDRAMを供給しています。車載機器メーカの品質、信頼性要求は非常に厳しいものですが、テスト工程のカスタマイズ、動作温度などの個別仕様要求への対応はもちろん、銅リードフレームの採用といった部材面からの信頼性の確保も行っています。もちろん、納期など供給面、技術サポート、トレーサビリティに関しても万全です。

お客様の利便性を徹底的に高めたP2ROM™リードタイムは短く、在庫の必要なし。

-不揮発性メモリのP2ROMとは、どのようなメモリなのか。

吉田:EPROM OTPをベースにした読み出し専用のメモリで、ラピス独自のものです。P2ROMはProduction Programmed ROMの略称で、名前のとおり、出荷前にお客様のデータをラピスが書き込み、テストをして出荷します。

お客様のデータをいただいてから専用ラインですぐに書き込みを行うのでリードタイムが2週間程度と短く、ブランク品はラピスが在庫しているので、お客様にブランク品の在庫をもっていただく必要はありません。

また、書き込み工程を含んだ価格なので、フラッシュメモリなどで必要になる書き込みの追加コストがなく、マスクROMのようなマスクチャージもありません。これらすべてが、お客様の手間や追加コストを省き、利便性の向上につながります。

-どんなアプリケーションに適するのか。

吉田:書き換えをしない用途、固定プログラム、フォント、ビットマップデータ、マニュアル、画像や音データなどに利用されています。また、改ざんやコピーの防止が必要な用途にも利用できます。

商品展開として、パラレル標準、パラレルページモード、SPI BUS、ゲートアレイ内蔵型を用意しています。フラッシュメモリ互換品、接続信頼性を高めた銅フレーム品、ソケット実装対応品、IDデータ書き込み品、特殊捺印対応など、様々な要求に応えられるラインアップとなっています。

-品質や供給面は。

吉田:DRAMと同じように、複数拠点での生産体制をとっています。前工程はラピスの宮城工場とロームの浜松工場、後工程はラピスの宮崎とアッセンブリ専業パートナーになりますが、書き込みとテストはすべてラピスの工場で行います。

品質管理はもとより、急な需要変動にも柔軟に対応できる体制を構築しておりますので、安心してフラッシュメモリやマスクROMからの置き換えができると思います。

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