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LSI事業戦略 2015


 

Part.3 後編 無線通信LSI開発ユニットリーダー 奥秋 康幸

Sub-GHz LSIは高い無線性能を低消費電力で実現。ネットワーク接続とデータ通信の信頼性を高める。

-Sub-GHz、特定小電力無線ではスマートメータ市場に注目しているとのことだが。

奥秋:特定小電力無線はSub-GHz、つまり1GHz以下の周波数帯を使った無線通信で、送信出力は一般に1mWから数十mWで、大きくても100mW程度です。
遮蔽物があっても迂回力に優れた無線通信で、小容量のデータ通信アプリケーションに適していることから、テレメータ、ビルセキュリティ、ホームセキュリティ、POS端末などに利用されています。

昨今の省エネ要求の観点からエネルギーマネジメントの必要性が高まり、スマートメータ、HEMS(Home Energy Management System)、BEMS(Building)、FEMS(Factory)といったデータ通信に近距離無線が採用され始めており、すでに、920MHz帯特定小電力無線がスマートメータとHEMS間のデータ通信に採用されています。
スマートメータに関しては、世界規模で採用の方向にあり、国やエリアによって進捗状況は違いますが、非常に大きな市場であることは間違いありません。

ラピスの特定小電力無線用LSIは、すでに多くの類似アプリケーションで採用されており、スマートメータにおいても、ラピスのSub-GHz LSIの持つ高性能な無線特性がお客様の大きなメリットになると確信しています。

-日本では震災に関連してスマートメータのプロジェクトに遅れが出ているようだが、現状のフォーカス市場は。

奥秋:ラピスでは、すでに全世界の国々の要求仕様に対応できるLSIを用意しています。
欧州、中国、アジア諸地域での導入が進んでいますが、実は無線規格が国ごとにばらばらで、それぞれに対応するLSIが必要です。

現状では欧州の導入が一番進んでいることから、欧州が最初のターゲットになります。ドイツに開発拠点があり、現地での展開はここからすることになります。

-ラピスの特定小電力無線用LSIの特長は。

奥秋:高い無線性能をもちながら低消費電力であることです。
スマートメータに関して言えば、電力使用料金に関わる通信を行いますので、ネットワークへの接続性やデータ通信の信頼性は非常に重要です。これには、無線での送受信性能が優れていなければなりません。

そして、低消費電力は必須の要求なのですが、実は、無線において性能と消費電力は相対するもので、通常はトレードオフが必要になります。

この点においてラピスは、優れた無線技術と低消費電力化技術よって単なるトレードオフではなく、比較において同じ電力消費であればより高い性能を、同じ性能であればより低消費電力であることを提供できるLSIの開発を行っています。

-高い無線性能を得るために、どのような技術が使われているのか。

奥秋:送信と受信に関する例を説明します。通信距離の安定性を高めるために、PA(パワーアンプ)専用のレギュレータを内蔵しています。PAの送信パワーは、電圧と温度に大きく影響を受けます。この影響を極力小さくするために、専用のレギュレータによって常に安定した電圧をPAに供給します。

また、温度補正を使用することで、変動は常温を基準に動作温度範囲で±1dB以内抑えています。
受信感度は-106dBm(100kbps時)という業界トップクラスの性能を達成していますが、さらに感度を向上させるためにFEC(Forward Error Correction)と呼ぶデータ訂正機能を搭載しており、ソフトウェアの負荷なく感度向上ができています。250バイト長以上のパケットで3.5dBの感度向上が可能です。

無線性能はスペックだけでは評価しきれないところがあります。基本的には無線規格に準じるので、各数値はメーカ間での差が見えません。

しかし、実力面では違いがあり、それがお客様での使い勝手や通信の信頼性に関わることが多々あります。こういった部分はメーカが持つ技術と経験、そしてノウハウの蓄積によって違うわけで、ラピスのお客様にはそれを実感していただいていると確信しています。

低消費電力と高性能でNo.1を目指し、日本の無線メーカとしての地位を確立する

-サポートやサービス面は。

奥秋:お客様の開発をサポートするために、MACソースやアプリケーションソフトウェアの開示、および無償提供をしています。

また、すぐに性能評価ができるように、評価キットも用意しております。

-最後に、ラピスの無線通信用LSIが目指す方向とは

奥秋:注力分野のうち、Bluetooth®LEとSub-GHzについて話をさせてもらいましたが、どちらも低消費電力と高性能がキーワードなのはお分かりいただけたと思います。

私たちは、ラピスのLSI事業戦略に基づき、特長のある技術を最大限に活用し、低消費電力化と無線性能においてNo.1を目指します。そして、世界市場において日本の無線メーカとしての地位を確立していきたいと考えています。

取材後記
「日本の無線メーカとしての地位を確立する」という奥秋ユニットリーダーの言葉を聞いて、ラピスの活力を垣間見た気がした。日本の半導体産業については、このところ残念な話が多い。通信、無線というのは日本が世界に誇る技術の一つだと認識しているが、通信用半導体に関して現在の日本メーカの地位はどのくらいなのか。 通信用半導体を柱にすることを明言しているメーカはどのくらいあるのか。
ラピスのこの挑戦を応援したいと思う所存である。

(聞き手:高橋 和渡 fプロジェクト・コンサルティング)

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