リチウムイオン電池監視LSI「ML5239」
業界最大※16セル多段接続に対応した、リチウムイオン電池監視LSIを開発
~ 産業機器市場向けに需要が高まる多セルシステムの大幅な簡略化を実現 ~
※2015年2月ラピスセミコンダクタ調べ
要 旨
ラピスセミコンダクタは、蓄電システムなどのリチウムイオン電池監視システムを小型化する、業界最大※の16セルに対応した、リチウムイオン電池監視LSI「ML5239」を開発しました。
本LSIは、16直列セルの対応に加え、多段直列接続機能を搭載することで、多直・高電圧なリチウムイオン電池監視システムに対応し、多セルシステムの大幅な簡略化に貢献します。さらに、パワーダウン時の消費電流を業界最小※0.1µA (@Typ.) と極限まで小さくしたことで、システムの低消費電力化に有効です。
現在サンプル出荷中で、ラピスセミコンダクタ宮崎 (宮崎市) で、2015年5月から量産出荷を開始する予定です。また、簡単に評価を開始できる評価ボードとソフトウェアを用意しており、サポートサイトからユーザ登録していただくことで様々なマニュアルやツールが利用できるなど充実したサポート体制を提供しております。
今後もラピスセミコンダクタは、多直列セル構成のリチウムイオン電池監視LSIで産業機器市場の高電圧電池監視システムのご要求にお応えしていきます。
背 景
エネルギー密度の高いリチウムイオン電池は、家庭用蓄電システムや無停電電源装置(UPS)などへの展開が進んでおり、スマートハウスやHEMS(Home Energy Management System)の普及と共に需要が高まっています。これらの電池監視システムは、モバイルコンシューマや電動工具等の用途よりも大容量であるため、多直・高電圧に対応した電池監視が求められます。また、非常用電源等としての用途の性質より、電流消費を極力抑えた電池監視システムが求められます。
このような状況の中、ラピスセミコンダクタは、実績豊富なミックスドシグナル回路と高耐圧プロセスにより、高電圧のリチウムイオン電池監視システムに最適な電池監視LSIを開発しました。
ラピスセミコンダクタリチウムイオン2次電池市場への取組み
電池監視システムの「小型化」「低消費電力化」に貢献
※上図、①~④は下記特長の1~4に紐づいています。
新商品の特長
1. 16直列セル接続に対応
本LSI一つで16直列セルまでのリチウムイオン電池監視システムに対応可能です。80Vという業界最高クラスの耐圧で、より高電圧のシステムを容易に構築可能になります。
2. 多段直列接続機能を搭載
16直列セルの対応に加え、多段直列接続機能を使用することで、さらなる多直・高電圧なリチウムイオン電池監視システムに対応可能、多セルシステムの大幅な簡略化に貢献します。
3. パワーダウン時の消費電流を最小化
パワーダウン時の消費電流を極限まで小さく(0.1µA@Typ.)したことで、システムの低消費電力化を実現します。特に、監視インターバルの長いシステムで効力を発揮します。
4. A/Dコンバータを搭載
測定値は内蔵A/Dコンバータによりデジタル化され、SPIにより外部へ送信されます。シンプルでノイズの影響を受けにくい電池監視システムを構成することができます。
仕様
- 対応セル数:16直列セル (多段直列接続により、拡張可能)
- パワーダウン時消費電流:0.1µA(Typ.値)
- A/Dコンバータ内蔵:12bit逐次比較型ADC
- セル電圧測定精度:±10mV (Typ.値)
- セルバランス機能:外付NMOS FETドライブ回路内蔵
- 温度センサ測定精機能 : サーミスタ接続端子4チャンネル
- 自己診断機能 : セル電圧測定端子のオープン / ショート検出機能等
- MCUインターフェース : SPIシリアルインターフェース (CRCによる通信エラー検出機能搭載)
- 動作電源電圧 : +10 ~ +72V
- 動作温度 : -40°C ~ -85°C
- パッケージ : TQFP64 (12mm × 12mm)
販売計画
- 商品名 : ML5239
- サンプル出荷時期 : サンプル出荷中
- サンプル価格(参考) : 1200円(税別)
- 量産出荷予定 : 2015年 5月より
- 量産規模 : 月産2万個
応用分野
- 蓄電システム
- 無停電電源装置(UPS)
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