ホーム > 企業情報 > 2012年のニュースリリース > Bluetooth® v4.0 Low Energy 対応2.4GHz無線通信LSI「ML7105」

 

Bluetooth® v4.0 Low Energy 対応2.4GHz無線通信LSI
「ML7105」

2012年9月24日

無指向性リモコンを実現するZigBeeRRF4CE対応の無線通信モジュールを開発

フィットネス機器、ヘルスケア機器などが小型・小容量の電池で長期間使用可能


要 旨

ラピスセミコンダクタは、スポーツ&フィットネス機器、ヘルスケア機器など向けに開発されたBluetooth® v4.0 Low Energy注1対応2.4GHz無線通信LSI 「 ML7105 」 のサンプル出荷を開始いたしました。本LSIは、業界トップクラスの低消費電流(送信時9.8mA、受信時8.9mA)の実現を最大の特長としており、コイン電池など小型・小容量の電池で長期間の使用を可能とします。Bluetooth®無線通信に必要なプロトコルスタックは本LSIに内蔵しており、最小限の構成で既存の最終製品を無線化することが可能です。


本商品は、2012年9月よりサンプル出荷を開始し、2013年3月より量産出荷を開始する予定です。

※ラピスセミコンダクタ測定値


【用語解説】

  • 注①:Bluetooth® v4.0 Low Energy
             これまでのBluetooth規格に比べ大幅に省電力化された最新の規格version、
             ボタン電池一つのみでも数年駆動可能とすることを目的とした新しい規格。
             Bluetooth®は米国Bluetooth SIG, Inc.の登録商標です。
背 景

近年、スマートフォンに代表される多くの情報機器に標準的に搭載されるようになってきたBluetooth®無線方式は、v4.0 Low Energyという新しいバージョンのリリースにより更に応用分野が拡がる傾向にあります。歩数計、活動量計、血圧計など毎日の健康管理に使うことができるヘルスケア製品、サイクルコンピュータや心拍計などの各種センサを応用したフィットネス製品など新しい市場への開拓が期待されています。また、これまでBluetooth® を搭載してきたキーボードやマウスなどの既存のPC周辺製品にとっても、Bluetooth® v4.0で改良された機能により、Bluetooth® Low Energyへの切り替えが期待されている製品分野もあります。いずれの分野も急速に市場に浸透してきたスマートフォンやタブレット端末が、ネットワークのハブとして機能することで可能となる新たな創出されるサービスの中心的な役割を果たすことになります。

Bluetooth® 無線通信規格を策定しているBluetoothR SIGでは、これらの新たな製品のスマート化を普及促進させるためにBluetooth® Smart/ Bluetooth® Smart Readyというロゴマークを新たに制定しました。

※Bluetooth® SIGとは、Bluetooth規格の策定やBluetooth技術利用に対する認証を行う団体のこと。

新製品の概要

従来、電卓、電子玩具やリモコンなどに代表される機器で一般的に使用されているコイン電池CR2032 (容量230mAh)などでは、その電池の持つ放電特性では従来の無線通信LSIで必要とする消費電流(数10mA~)をまかなうことができませんでした。しかし、今回ラピスセミコンダクタでは、これまで長年に亘って培ってきた低消費電力RF回路技術へのこだわりをさらに一歩すすめ10mA以下での無線通信動作を実現することに成功。

無線通信の要となるRF回路の設計はラピスセミコンダクタ独自で蓄積してきた集大成といえます。

ZigBee®注2製品等向けに長年開発してきたラピスセミコンダクタのRF回路設計技術は、 「 ML7105 」 の開発によってデータ送受信時の回路電流目標を達成。細部にわたる回路電流の最適化やRF回路構成の大幅な変更など、これまでの技術蓄積を最大限に活かすことにより達成できています。10mA以下の消費電流実現により同容量の電池で電池寿命を延ばすことができるとともに更に小型のコイン電池での使用についても電池特有の内部抵抗成分による電圧降下の影響を少なくすることが可能となります。

Bluetooth® Low Energyに対応するスマートフォンやタブレット端末が今後普及することで、これまで無線化対応したくても消費電流の制約などで実現できなかったお客様にも新たな機会が到来するといえます。ラピスセミコンダクタではそういったお客様のご要望にお答えするため小型、低消費電流のモジュール開発についても計画中であります。

ロームグループではグループ全体でのシナジー効果を発揮できる分野としてセンサ、マイコンそして無線通信の融合・応用を掲げております。いずれの製品においても低消費電力が最大の特長としており、センサネットワーク注3ユビキタス製品注4にお使いいただける商品のラインナップ拡充を図ってまいります。

【用語解説】

  • 注②:ZigBee®
             近距離無線通信プロトコルのひとつ、ZigBeeR Allianceによって規格化。
             物理層、MAC層はIEEE 802.15.4通信規格を採用。
  • 注③:センサネットワーク
             複数のセンサ付無線端末を空間に散在させ、それらが協調して環境や物理状況を
             採取することを可能とする無線ネットワーク。
  • 注④:ユビキタス製品
             「いつでも・どこでも・だれでも」が恩恵を受けることができることを目指す製品。
             無線ネットワークとインターネットの連携が鍵となる。

特長

●Bluetooth® v4.0 Low Energy single mode LSI
・Bluetooth® Smart機器に最適。 PC、スマートフォンなどのアクセサリでお使いいただくための
   Slave機能だけでなくMaster機能も備えていますのでリスト装着型健康機器やサイクルコンピュータ
   などセンサデバイスとPC、スマートフォンを中継する機能としてもお使いいただくことができます。
    (日本国外での使用時には、別途各国無線法規への対応が必要です。)
●低消費電力設計
・ラピスセミコンダクタ独自開発のRF回路により業界トップクラスの低消費電流
   (送信時9.8mA、 受信時8.9mA、 スリープ時0.7µA)を実現しています。
   RF回路だけでなくシステム全体での消費電力最適化を行うための
   部分電源遮断回路、自律判断でシステムクロックの停止を制御する
   クロック制御回路などが盛り込まれています。
●プロトコルスタック内蔵
・Bluetooth® v4.0 Low EnergyのHOSTスタックを内蔵、
   機器の用途に応じたProfileをお客様のセットに
   既存のアプリケーションプロセッサに実装するだけで
   Bluetooth® Smart機器への対応が可能となります。
   サンプルプログラム、リファレンスボードを提供可能(有償)。
●内蔵マイコン+メモリ
・Arm社製Cortex-M0を搭載し、Program専用内蔵SRAM 12kバイトを用いて
   お客様のアプリケーションを実装可能。
   ユーザーアプリケーションはI2Cバスを経由して外付けメモリからダウンロード可能。
●標準的なシリアルインタフェースを装備
・HOSTマイコンなどと制御インタフェースをとることを目的として汎用シリアルインタフェースを装備。
   SPI Slave, UART, I2Cインタフェースが使用可能。
●センサデバイス、周辺機器を制御するためのI2Cバス、GPIOを搭載
・各種センサデバイスや周辺機器とのInterfaceに使用可能なI2Cバスを装備、
   電源制御や割り込み信号として使用可能なGPIOを4ch装備。
●センサノード評価キット
・「ML7105」の評価キットでは基板上にラピスセミコンダクタのマイコン、ロームのセンサ群を
   集積したセンサノードを提供します。
   このセンサノード基板を「ML7105」無線モジュールと組み合わせることで簡単に
   センサネットワークを実現できることを体感していただけます。
   アプリケーションソフトのサンプルコード、各種センサデバイスのドライバソフトウェアも
   キットに含まれます。

応用分野

  • フィットネス機器
  • ヘルスケア機器
  • PC周辺機器
  • 産業機器

販売計画

●商品名
ML7105
●サンプル出荷時期
2012年9月
●サンプル価格
1,000円(税別)
●評価ボード(単体)
2012年9月
●量産出荷予定
2013年3月より

商品の概要/特長

●Bluetooth® SIG Core Spec v4.0準拠
●低消費電力RFブロック内蔵
●汎用プロセッサArm社製Cortex-M0を搭載
●プログラム格納用64kバイトROM ( CODE_ROM )
●データ格納用16kバイト RAM ( DATA_RAM )
●ユーザープログラム格納用12kバイト ( CODE_RAM )
●Bluetooth® LE single modeに準拠したBasebandコントローラを搭載
●Bluetooth® Host Controller Interface用UARTを搭載
●Custom Host Controller Interface用SPI_SLAVEを搭載
●EEPROMもしくはCustom Host Controller Interface用I2C ( Master & Slave ) を搭載
●GPIOを搭載
●間欠送受信に対応するためのLow Power Clock ( 32.768kHz ) をサポート
●レギュレータ内蔵
●電源電圧
3.3V Typ. ( 1.6~3.6V )
●動作温度範囲
-20~+75℃
●消費電流
スリープ時 : 0.7µA
送信時 : 9.8mA (0dBm)
受信時 : 8.9mA
●パッケージ
32pin QFN ( 5.0mm × 5.0mm × 0.8mm )

お問い合わせ

本件に関するお客様からのお問い合わせ先
   お問い合わせのページ

※各リリースの記載内容は発表日現在のものです。   その後予告なしに変更される場合がありますので、あらかじめご了承ください。

※本文に記載されている会社名、商品名は一般に各社の商標または登録商標です。