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 中国地上デジタル放送規格対応の復調LSI
「ML7109S」

2011年12月26日

ラピスセミコンダクタがスマートメータに最適な無線通信LSIサンプル出荷開始

業界最小の低消費電力、簡単設計、開発短縮、電池寿命アップ


ラピスセミコンダクタは、中国方式地上デジタル放送規格GB20600-2006 (DTMB)(注1)による放送を受信するテレビ、セットトップボックスに最適な復調・誤り訂正LSI「ML7109S」を開発しました。 本商品は、DTMB規格の全330伝送モードをサポートし、中国国家標準受信機規格(GB/T 26685-2011およびGB/T 26686-2011)(注2)のデモジュレーションおよびチャネルデコードの要求事項を満足しております。また、本商品は更に規格に規定されていない伝送パラメータにおいても、極めて安定した高い受信性能を発揮いたします。このような高安定受信性能を業界最高水準の低消費電力で実現するとともに、復号のために必要なメモリも内蔵しているため実装面積の小型化にも貢献いたします。
本商品は、既にサンプル出荷を開始しており、2012年1月より徐々に量産を開始する予定です。

現在、中国ではアナログ放送からデジタル放送への転換が急ピッチで進められております。広大な国土の中、都市周辺部や農村部まで地上デジタル放送もしくは衛星放送を用いてカバーする計画で展開が図られ、今後地上デジタル放送市場の急拡大が見込まれております。 ラピスセミコンダクタでは、これまで日本方式の地上デジタル放送ISDB-T向け受信LSIの開発を行って参りました。これまでの地上デジタル放送に必要とされる事項に関する経験を活かし、中国固有の要件に関しては、中国現地の開発拠点と連携し徹底的に調査を行い、短期間での立ち上げを実現いたしました。

中国地上波デジタル規格の提案メンバーの一人である清華大学 楊知行教授は以下のように述べています。
「2008年の清華大学とローム株式会社の中国地上波デジタル受信LSI(DTMB Demodulator)における技術提携の結果、ラピスセミコンダクタ(ローム株式会社の子会社)は、受信用LSIの品質、安定性、受信感度及び低消費電力性能面で大きな成果を収めることができた。
本LSIはラピスセミコンダクタの最新製品であり、特に受信感度と低消費電力の性能は、業界トップレベルに達した。清華大学とローム株式会社の長期的な技術提携の結晶とも言える。本商品はデジタルテレビ、セットトップボックス(STB)、USBテレビ受信ドングルに適している。」

今後、ラピスセミコンダクタは、中国都市部に普及するケーブルテレビ復調機能を搭載した復調・復号LSIの開発も行い、デジタルテレビにおける部品点数削減に貢献していく計画です。また、他の海外地域の地上デジタル放送受信への対応も図って参ります。

【用語解説】

  • 注①:GB20600-2006(DTMB)
             中国方式の地上デジタル放送規格。全330の伝送モードが規定されています。
  • 注②:中国国家標準受信機規格(GB/T 26685-2011およびGB/T 26686-2011)
             中国信息産業部(Ministry of Information Industry)が規定している受信機に 対する規格です。

特長

中国国家標準受信機規格(GB/T 26685-2011およびGB/T 26686-2011)の
デモジュレーション およびチャネルデコードの要求事項を満足
・シングルキャリア方式、マルチキャリア方式の両方式をサポートし、どちらの方式における 受信においても、
   高い受信性能を有しております。
高性能
・本商品は、すべての受信環境において安定した受信性能を有しており、特に以下の特性が優れています。
  • AWGN(加算性白色ガウス雑音)特性
  • ダイナミックマルチパス特性

高いAWGN特性により、受信感度の向上に寄与し、安定受信、受信エリアの拡大に貢献いたします。
本特性に関する規格では、スペックで規定された受信に必要なC/N値を下回ること が要求されますが、いずれの伝送モードにおいてもマージンを確保しております。

フィールドでの安定受信
・中国の複数地域でSFN(Single Frequency Network)と呼ばれる同一周波数で複数の送信塔から同時放送を
   行い、周波数利用効率を高める方式のサービス運用が開始され、このために生じる受信が難しいポイントを
   選び、フィールドテストを繰り返し、独自アルゴリズムの改良を重ね、安定した高性能を達成することが
   できました。
低消費電力
・徹底的な回路最適化による回路コンパクト化とともに、各回路の動作周波数最適化、クロック制御技術を
   駆使することにより、受信時における消費電力は業界最高水準の270mWを実現いたしました。
   このことにより、TVを薄型化する際に重要な放熱対策も容易にし、セットのエコ化に貢献いたします。
市場要求に合致したパッケージラインナップ
・小型パッケージにより実装面積削減に貢献: 64ピンWQFN ( 9mm x 9mm )
・安価な2層基板へ適用可能: 100ピンQFP ( 14mm x 14mm )

両パッケージともに、復号に必要なメモリを内蔵しております。

ターンキー評価キット
・チューナ、ML7109S、バックエンドデコーダ、ドライバソフトからなる簡易地上デジタル放送受信システムを
   ご提供、評価を容易にいたします。

応用分野

  • ・デジタルテレビ
  • ・セットトップボックス
  • ・USBドングル

販売計画

  • ・商 品 名          :ML7109S
  • ・サンプル出荷時期 :出荷中
  • ・サンプル価格       :600円(税別)
  • ・量産出荷時期       :2012年1月

商品の概要/特長

  • ・中国地上デジタル放送規格GB20600-2006に準拠
       全330伝送モードをサポート
  • ・中国国家標準受信機規格(GB/T 26685-2011およびGB/T 26686-2011)のデモジュレーションおよび
       チャネルデコードの要求事項を満足
  • ・復号に必要なメモリを内蔵
  • ・外部インタフェース
    • ・ワイドレンジIF
    • ○Standard IF
    • ○Low-IF
    • ○Zero-IFサポート
    • ・RF/IF Dual AGC
    • ・IF AGCのアナログ出力オプションあり
    • ・パラレル/シリアル MPEG-2 TSインタフェース
    • ・対ホストコントローラ I2Cバススレーブ制御
    • ・チューナへのI2Cバススルー機能
    • ・GPIO
         メインクロックは、外部からの30.4MHz / 31.12MHz水晶振動子入力に対応
  • ・消費電力
    • ・受信時 270mW
  • ・電源電圧
    • ・アナログ、デジタルI/O:3.0V~3.6V  (Typ. 3.3V)
    • ・コア電圧:1.1V~1.3V  (Typ. 1.2V)
  • ・動作温度範囲
    • ・-20℃ ~ +85℃
  • ・パッケージ
    • ・64ピン WQFN (9mm x 9mm、0.5mmピッチ)
    • ・100ピン QFP (14mm x 14mm、0.5mmピッチ)
    • ・鉛フリー RoHS準拠

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